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支持率3割台の世論調査も出て窮地のトランプ氏。中間選挙と弾劾に危機感、「米国第一」を変質させ軍事的冒険主義に進むか

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軍事行動を進めるトランプ大統領
戦争を忌避していたはずが、軍事行動に踏み切るトランプ大統領。個人崇拝が進むMAGA支持者も変質をそこまで気にとめていないようだ(写真:Doug Mills/The New York Times)

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トランプ政権は発足から1年を迎えたが、各種世論調査で支持率は低迷し、3割台に落ち込むものも出てきた。発足当時と比較すると10ポイント超の下落だ。支持率低下の背景には、物価高が続く中、経済政策への不支持が増加したことや、関税と並ぶもう1つの看板政策だった移民政策への不支持の高まりもある。

経済だけでなく看板だった「移民政策」にも批判

トランプ政権は、全米に1000万人超いる非正規移民(ビザ等合法的な滞在資格を持たない移民)を全員強制送還する方針を掲げ、1年で100万人、1日3000人の強制送還をノルマとして課してきた。とりわけ移民取り締まりのターゲットにされてきたのが、非正規移民に寛容な方針を打ち出し、連邦機関による取り締まりに協力しない意向を示す「聖域都市」だ。

「聖域都市」は市や町のレベルで全米に600以上あり、ニューヨーク州やイリノイ州、カリフォルニア州のように「聖域州」を宣言しているところもある。すべて民主党が地盤とする「青い州」だ。

2025年12月、トランプ政権はソマリア系移民らが中心となった補助金の不正受給事件を契機に、不法滞在の移民を取り締まるという名目で、ミネソタ州ミネアポリスに3000人もの移民・税関捜査局(ICE)や税関・国境警備局(CBP)の捜査官を送り込んだ。

しかし、今となってみれば、「オペレーション・メトロ・サージ」と名付けられたこの作戦がトランプ政権が進める移民政策の1つの転機となった。作戦が遂行される中、26年1月7日にICE捜査官によって37歳女性のレネー・グッドが車中で3発の弾丸を受けて射殺された。

さらに同月24日には37歳男性のアレックス・プレッティがCBP捜査官に射殺された。いずれも犠牲者は過剰な移民の取り締まりに反対するアメリカ市民だった。

捜査官は「正当防衛」を主張し、トランプ政権も最初は捜査官を擁護し、グッドやプレッティを政権にたてつく「国内テロリスト」「過激左派」と批判した。だが、ほとんど無防備なプレッティに10発もの弾丸が打ち込まれる瞬間を捉えた動画が拡散されたことで当局への批判が一気に高まった。

現在、トランプ政権の移民取り締まりへの不支持は6割に近づき、支持の2割近くを上回る。トランプの岩盤支持層だった白人有権者による支持率も、2期目の政権後初めてマイナスに転じ、白人に次ぐ投票集団であるラテン系の支持も揺らいでいる。

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