外国人・移民問題「放置すればフランスのようになる」は本当か、理想を掲げて本気で取り組んだが挫折した仏独
アメリカのトランプ政権に象徴される移民の追い出し政策は、今や欧米先進国の潮流ともいえる。これまで好意的に見ていた世界の良識派からもトランプ政権が送り込んだ移民・税関捜査局(ICE)が、ミネソタ州で1カ月の間に男女2人の一般市民を射殺したことを批判され、トランプ氏は強硬姿勢を軟化させている。
ドイツでは2015年にシリアやイラクからの難民が大量発生したことで、当時のメルケル政権が100万人の受け入れを表明、日ごろは難民・移民受け入れに消極的なスウェーデンなど北欧各国も大量に受け入れたが、移民の社会適応は容易でなく、ドイツでは差別に耐えかねた難民が本国に帰還する現象も起きた。
分離主義まで行きついたフランスの移民問題
フランスやドイツでアラブ系移民が持ち込んだイスラム教は、キリスト教的価値観が主流のヨーロッパにおいてはさまざまな軋轢をもたらし、ドイツや北欧ではアラブ諸国出身の若者による女性を標的にした強姦事件が多発した。肌を露出させることを禁じたイスラム社会で育った若い男性らには、肌の露出が当たり前のヨーロッパの女性は刺激的過ぎた。
ヨーロッパの中で移民の歴史の長いフランスで30年以上、移民問題を取材してきた筆者は、この10年、移民問題が臨界点を超える現象が起きていることを肌で感じる。
フランスでは移民の歴史は長い。しかし多くはキリスト教を信じる白人で、フランスは受け入れてきた。戦争の絶えなかったヨーロッパ大陸で移動を強いられる人は少なくなかったし、フランスは懐が深いことで知られていた。


















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