〈横並びの「実質1円」スマホ〉携帯キャリアで"短期解約ユーザー急増"のからくり…成熟市場が招く「勝者なき争い」の実態
「正直、他社に乗り換えたほうが端末は安く手に入りますし、その後また回線だけウチに戻していただければ、1万5000円のキャッシュバックも発生します。最近は何度も乗り換えられるお客様もけっこう多いですね」
2月下旬、平日の昼下がりでもにぎわいをみせる東京・新宿の繁華街。とある携帯ショップの軒先で、15万円を超えるiPhoneの最新機種を「月2円(初回3円)」の分割払い、「実質負担額47円」で購入できると記載された看板が目にとまった。いくつかの適用条件も記されている。
1つは、端末を購入から2年後に携帯キャリアに返却すること。「端末購入サポート」と呼ばれるこの仕組みは、実質的なレンタル利用の形にすることで、高額なスマホを消費者が低価格で入手できるよう、キャリアが導入したものだ。
もう1つの大きな条件が、他社からの契約乗り換え、もしくは同じキャリアのサブブランドから主力ブランドへの契約変更だった。声をかけてきた店員に、すでに同キャリアの主力ブランドを利用していると説明すると、その場合はキャンペーンが適用されない機種変更となり、月々の支払い料金は数千円規模にまで跳ね上がるという。
店員が明かした“裏技”のからくり
既存ユーザーが端末を安く購入する方法はないのか。そうたずねると、店員は親切にも冒頭のように、業界の「裏技」を明かしたのだった。
つまり、キャリアの乗り換えを前提に同様のキャンペーンを展開する他社に移行したほうが、端末を安価に手に入れることができる。その後、再び回線だけを元のキャリアへと移せばそれに伴う特典も発生し、消費者にとって最もお買い得になる、ということだ。
通信業界内では近年、キャッシュバックなどの特典を目当てにキャリアの乗り換えを繰り返す、「ホッパー」と呼ばれる消費者の急増が問題視されている。キャリアは投下する販促費が定着率の低いユーザーへと流出し、投資に見合う効果を得にくいうえ、特典の原資が既存ユーザーの通信料金とされるため、長期利用者が実質的に損をする格好になる。代理店関係者によると、こうした行為を組織的に展開する「手配師」のような人物まで存在するという。
いびつな競争の実態は、各キャリアが横並びで販売ブースを展開する家電量販店に足を運ぶと、より鮮明になる。






















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