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〈悲願の目標突破〉楽天モバイル「参入5年で1000万契約」の光と影 データ使用量急増の先で待ち受ける"ローミング終了"の壁

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昨年12月に悲願だった1000万回線の契約に到達した楽天モバイル。通信ネットワークの強化が次の焦点となる(編集部撮影)

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「1000万到達は1つの分岐点だ。さすが、創業者がやると粘り強いという感覚を持っている」

4番手の携帯キャリアとして、2020年4月に国内モバイル市場に本格参入した楽天モバイル。低廉でわかりやすいプランを売りに、NTTドコモなど既存3社に挑んだが、直後に誕生した菅義偉政権がモバイル市場改革を推進し、業界全体で料金の値下げが進んだ。 

思わぬ逆風にさらされながらも、楽天は23年に本格始動した法人向けの契約を急速に伸ばし、24年以降はさまざまなプログラム投入で若年層を中心に個人向け契約も着実に積み上げた。そして25年のクリスマス、総契約数ベースで悲願の1000万回線を達成した。

祖業のECと同様、当初は無謀と言われたモバイルでも、持ち前のどぶ板営業で事業を軌道に乗せた楽天の躍進ぶりについて、競合するソフトバンクの宮川潤一社長は2月の決算会見で冒頭のように述べた。

契約数、利益改善で節目の年に

契約数急伸に伴って、楽天のモバイル事業は収益力の改善が進む。

EBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)ベースでは、23年通期で1500億円超の赤字だったが、25年には129億円の通期黒字化を達成。営業利益ベースで見るとモバイル単体は赤字が続くが、楽天グループ全社では、ECや金融が好調で25年は143億円の黒字だった。

全社では24年通期で5年ぶりの営業黒字復帰を果たしていたが、これは出資先企業の評価益を約1000億円分計上した一過性要因が大きい。純粋な実力ベースで考えると、25年は契約数と利益改善の双方において、大きな節目の年になったといえる。

楽天はモバイルをフックに消費者を自社経済圏に引き込み、関連サービスの利用拡大につなげる「アップリフト効果」を重視する戦略を採る。三木谷浩史会長兼社長は2月の決算会見で、「モバイル単体でも収益力がかなり上がり、付随して、楽天市場、楽天トラベル、楽天カードの利用が増えるという形で、モバイル経由で流入した新規顧客などの利用度が上がっている」と手応えを口にした。

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