2026年2月28日に開始されたアメリカとイスラエルによるイラン攻撃に関連して、米海軍横須賀基地(神奈川県)所属のイージス艦2隻がアラビア海に展開、巡航ミサイル・トマホークを発射するなどイラン攻撃に加わった。米海兵隊キャンプ・ハンセン(沖縄県)と米海兵隊岩国航空基地(山口県)に拠点をおく米海兵隊も、米海軍佐世保基地(長崎県)所属の強襲揚陸艦に乗って中東に出撃するという。
中道改革連合の小川淳也代表は3月9日の衆議院予算委員会で、「中東は極東の範疇に入らない」「我が国は在日米軍が中東でミサイルを撃ち込むために駐留することを許していない」「在日米軍の戦闘行動は事前協議の対象」という趣旨の発言をした。いずれも正確ではない。国会議員だけではなくXなどSNS上でも研究者の日米安保条約(以下、安保)に関する誤った認識に基づく投稿が散見される。
本稿では、「極東条項」を中心に安保の基本的事実を確認し、日米首脳会談を目前に高市早苗政権が自衛隊の中東派遣に慎重な理由をあらためて解き明かす。
在日米軍の行動の自由を保障する「極東条項」
「極東条項」とは、安保における極東有事に関する規定を指し、1951年に日米両国が旧安保を締結したときから存在する。
旧安保の第1条では、アメリカは自国の陸海空軍を日本国内とその周辺に配備して「極東における国際の平和と安全の維持に寄与し」、「外部からの武力攻撃に対する日本国の安全に寄与するために使用することができる」とされた。旧安保締結当時は朝鮮戦争中であり、在日米軍を日本以外の極東の有事にも使用できるように米軍部が要求した結果、在日米軍は日本の外でも自由に行動できることになった。
1960年に改定された新安保の第6条は、「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される」とされ、旧安保の規定を引き継いだ。
ここでいう極東は在日米軍の行動範囲を意味しない。岸信介首相は60年2月26日の衆議院安保等特別委員会で、極東の平和と安全の維持を目的としていれば在日米軍は極東地域外でも行動できると説明している。
ただし、新安保の国会審議では野党勢力が執拗に「極東の範囲」を質問したことから、藤山愛一郎外相が60年2月8日の衆議院予算委員会で「大体フィリピン以北、日本の周囲」と答弁、議論の紛糾を招く。岸内閣は最終的に、「大体においてフィリピン以北並びに日本及び周辺の地域であって、韓国及び中華民国の支配下にある地域もこれに含まれる」という統一的解釈を表明して決着をつけた。






















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