有料会員限定

なぜイスラエルは、イランを攻撃したいのか――ネタニヤフ首相による「イラン脅威論」に巻き込まれるアメリカと世界

✎ 1〜 ✎ 45 ✎ 46 ✎ 47 ✎ 48
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
2025年12月末、アメリカを訪れたイスラエルのネタニヤフ首相と話すトランプ大統領(写真:New York Times) 

特集「イランショック」の他の記事を読む

2月28日、アメリカとイスラエルがイランを空爆し、最高指導者のハメネイ師を殺害した。その後報復の応酬が続いている。
しかしアメリカ国内では、軍事作戦に反対する声が上がっている。3月17日には、国際テロ情報を分析する国家テロ対策センタートップが辞任を表明。「戦争はイスラエル側の圧力によって引き起こされた」と、戦争不支持を表明した。
なぜイスラエルはイランを攻撃するのか。背景や、イスラエル国内政治への影響などについて、東京大学中東地域研究センターの鈴木啓之・特任准教授に話を聞いた。

 

――アメリカは、イスラエルによって今回の戦争に巻き込まれたのでしょうか。

アメリカとイスラエルは、2025年6月の「12日間戦争」でイランを攻撃した。しかし、イスラエルはその後、いったんは大打撃を与えたイランの長距離ミサイルの戦力再建と、核開発への脅威を引き続き持っており、アメリカに対してイラン攻撃を何度も働きかけていたようだ。

ネタニヤフ首相は25年末に訪米したが、その主な目的はイランの脅威についてだったとみられている。しかしトランプ氏はこの段階では、真剣にとりあっていなかった。

「イランを攻撃したい」というイスラエルの働きかけはつねにあるが、アメリカはすぐに応じる姿勢を見せていなかった。それをトランプ氏は数か月で姿勢を変え、攻撃に至った。

空母を配備する時間を稼いだとか、ハメネイ師の居場所が特定できたからなど、さまざまな理由は挙げられるが、はっきりとした思惑はわかっていない。

ネタニヤフ首相の思想を反映

――イスラエル側が攻撃を働きかける背景には、何があるのですか。

イスラエルの事情は明確で、ネタニヤフ首相が長年、イランを目の敵にしているからだ。

イスラエルはこれまでも、周辺で核開発の疑惑がある国々を敵視してきた。シリア、リビア、イランだ。

このうちリビアではカダフィ政権が核開発を放棄し、シリアについてはイスラエルが核開発施設を破壊した。現在では「イランだけが核開発を続けている」という認識を持っている。

――ネタニヤフ首相個人の思想が、政策に反映されているのですか?

イスラエルでは、ネタニヤフ氏の考えが政策に反映されやすい状態になっている。その結果、ネタニヤフ氏の「イラン脅威認識」が国内政治に強く作用している。

次ページイスラエルの国内政治への影響は?
関連記事
トピックボードAD