なぜトランプ大統領を議会は罷免できないのか、民主的な憲法が独裁者を生み出すという盲点、民主制が持つ大きな欠陥が今、世界を覆っている

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2026年2月24日、議会での一般教書演説を行ったあとに退場するトランプ大統領(写真: 2026 Bloomberg Finance LP)

有名な小話がある。それは猫とネズミの話だ。

猫の恐怖に悩まされたネズミが名案を思いつく。それは猫に鈴をつければ、いつでも猫が来ることがわかり、逃げられるというものだ。しかし、大きな難点に気づく。それはどのネズミが猫に鈴をつけるかという問題である。猫は鈴をつけようとする猫を食べてしまうに決まっているのだ。

この話は、どんな名案にも大きな盲点があるという教訓の話である。

猫とネズミの関係

われわれの社会は法治国家で、法によって厳しく守られている。しかし、それはあくまでも「誰もが法を守るだろう」という前提があるからだ。しかし、もし法を無視する極めて暴力的な人物が出てきたらどうか。そしてその人物が、法の罰則規定で規制できないほどの力を持っていたら容易に取り締まることはできないということなのだ。猫とネズミの関係はまさにそうだ。猫はネズミの法を力で破るからである。

とはいえ、われわれの現代社会は文明化された社会である。だからそうした人物など現れようもないはずだ。しかし、巨大な権力をもつ世界の政治家を見渡せば、どう見ても、そうだと言い切れない。相次ぐ不合理な戦争の出現は彼らのせいであると考えざるをえないのである。

石破茂前首相が防衛庁長官になったとき、ある問題に気づいた。それは、日本の周りには、非理性的な国があるということに気づいたのだ。石破茂は、『国防』(新潮文庫、2011年)という本を書いたことがある。

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