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安全保障環境が緊迫する中、世界は大軍拡時代に入っている。スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によれば、2024年の世界の軍事費は過去最高の2兆7180億ドルに達した。前年比9.4%増で、伸び率は冷戦後最大となった。
とりわけ著しい軍拡を続けているのが中国だ。日本の防衛白書によれば、中国の国防予算の名目上の規模は1995年度からの30年間で約28倍、15年度からの10年間で約2倍に増えている。25年度は日本の防衛関係費の約4.4倍に当たる約1兆7846億元(約37兆円)だった。ただし、これらはあくまで中国政府による「公表額」にすぎない。アメリカ国防総省は「実際の防衛支出は公表国防予算よりも著しく多い」と指摘している。
すでに急拡大中の防衛費
こうした国際情勢を背景に、日本の防衛予算のあり方も激変している。
日本の防衛予算は、76年に三木武夫内閣が閣議決定した「GNP(国民総生産)比1%以内」という制約が長らく機能してきた歴史がある。87年に中曽根康弘内閣がこの枠を撤廃したものの、その後も「GDP(国内総生産)比1%」が事実上の上限として強く意識され続けてきた。
その上限を突き破る決断をしたのが岸田文雄政権だった。22年末、日本の防衛政策の基本方針である「安保3文書」(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)を策定し、27年度までに防衛関連費を「GDP比2%」へ引き上げる目標を盛り込んだ。
日本の防衛予算(当初予算)は、22年度の約5.4兆円から、23年度6.8兆円、24年度7.9兆円、25年度8.7兆円と急増し、26年度は9兆円規模に達する見通しだ。

この流れをさらに加速させたのが、高市早苗首相である。25年10月の所信表明演説で、防衛費のGDP比2%達成時期を、現行の「27年度」から「25年度」へ前倒しすると明言。必要となる補正予算を昨年末の臨時国会で成立させた。
さらに高市氏は、安保3文書そのものについても、当初想定より時期を前倒しして26年末までに改定する意向を示している。






















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