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財政を拡大しても、経済が成長すれば税収が増え、財政の安定性は保たれる──。こうした構図を覆すのが金利上昇だ。金利が成長率を上回ると、債務は拡大の一途をたどる。成長率と金利。財政を左右する両者の関係をめぐっては、20年前にも激論が交わされた。経済財政諮問会議における論争の当事者に、当時と今について聞いた。
供給力を上げる構造改革が必要
竹中平蔵/元総務相 慶応大学名誉教授
──20年前はどんな議論でしたか。
今と逆だった。「名目成長率は名目金利より低い。だから、財政健全化のためにPB(利払いなどを除く基礎的財政収支)を相当の黒字にすべきだ」という意見に対し、私は「おかしい」と主張した。
成長率と金利の高低は長期的にみるとほぼ五分五分だ。どちらが高い低いという短期的な状況を政策判断に持ち込まないほうがいい。だから今「成長率は金利より高い。だからPBは赤字でいい」と逆手に取られているわけだ。成長率と金利は長期的に同じという前提で、長期の政策目標を決めればいい。
──長期目標がPB黒字化ですか。
PBの概念は私が最初に持ち込んだ。成長率と金利が同じなら、PB黒字で政府債務のGDP比は下がる。今の政権は「PBを単年度で黒字にする必要はない」と議論しているが、もともと単年度の黒字化を目標にしていない。当初は10年ぐらい後の達成を目指した。二十数年経っても達成されていないのだから、単年度目標がおかしいという議論そのものがおかしい。






















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