イビデン「エヌビディアとインテルが前払い」巨額投資の勝算/5000億円投じ次世代半導体へ独占供給、バブル懸念の声も
これまで工場投資では苦い経験を重ねてきた、パッケージ基板大手のイビデン。そんな同社が、3度目となる巨額投資に踏み切る。
今年2月、2028年度までの3年間で約5000億円の設備投資を行う計画を発表した。単年度ではないものの、25年度の売上高4200億円(会社計画)を大きく上回る巨額投資となる。
目を引くのは投資額だけではない。「資金はすべて顧客からの前払いで調達する」(IR担当者)だというのだ。
イビデンの大口顧客は、半導体大手のインテルとエヌビディア。2200億円をインテル、残り2800億円はエヌビディアから調達する。いずれも前受金として受け取り、その現金で設備を購入するというスキームだ。
つい数カ月前までイビデンは、インテル向けに建設した新工場がほとんど稼働せず、固定費だけが重くのしかかる状態に苦しんでいた。なぜこれほどの大勝負に出られたのか。背景には、AI半導体が世代ごとに大きくなり、イビデンの技術なしには作れなくなりつつあるという事情がある。
交渉の立場が変わった
イビデンが手がけるパッケージ基板は、半導体チップとマザーボードをつなぐ土台の役割を果たす半導体材料だ。エヌビディアのGPU(画像処理装置)に使われるパッケージ基板で、イビデンはほぼ独占的な供給者として知られている。
これまでの大型投資は、つねにリスクと隣り合わせだった。07年に建設した大垣中央事業場は、その後のリーマンショックで建設直後から稼働が低迷。21年には2工場の同時建設を発表したが、顧客であるインテルの業績が急激に悪化。1つの工場では、ほとんど未稼働状態が続いていた。
だが今回の大型投資では、5000億円を全額前払いで行えるようになった。背景には、エヌビディアとインテル双方から、従来とは桁違いの需要が見込まれており、交渉の立場が変わったことがある。






















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