〈銀座の店の懐事情〉老舗クラブは「最低でも売り上げが5000万円程度ほしい」/増えてきた「株長者や『IPO族』」の客
2月3日夜、銀座8丁目界隈。艶やかな打掛(うちかけ)をまとい、大きな兵庫まげに結った髪にかんざしを挿した、花魁(おいらん)姿のホステスたちが練り歩いていた。唇に引いているのは深紅の紅。その様子は、まるで江戸時代の遊郭にタイムスリップしたかのようだ。
この日、銀座ではクラブを中心に「節分おばけ」と呼ばれる銀座特有のイベントが開催されていた。これは、節分の日に仮装して邪気を払うという伝統的な風習の1つ。京都の花街で生まれ、銀座の夜の街にも根づいたという。いつしかクラブのホステスたちが仮装するイベントに発展、その後定着したといわれている、いわば「銀座版ハロウィン」だ。
ただ、単なる仮装イベントではない。お客を驚かせたり、楽しませたりといった「おもてなし」の心が込められている。そのためクラブによっては、節分おばけに合わせてさまざまなイベントを開催。この日もあるクラブでは三味線の演奏会を開催していたようで、店の外の通りまでその音色が響いていた。
コロナ禍以降は沈みがち
なぜこうした風習を守り続けているのか。ある高級クラブの社長は、「高級クラブとして、粋と派手さが融合した“銀座らしさ”を守り続けたい。そしてクラブならではのイベントを開催して、コロナ禍以降、沈みがちな銀座のクラブを元気づけたい」と語る。
確かにコロナ禍以降、経営的に苦しいクラブが増えている。
新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が発令され、飲食店は営業時間の短縮や休業を強いられた。銀座も例外ではなく、中でも高い家賃と女性ホステスに高額な給料を支払わなければならない高級クラブの受けたダメージは尋常ではなかった。
当初こそ、ホステスの出勤日を減らす出勤調整で対応していたものの、主要顧客であった中高年たちが銀座に飲みに出なくなり、ホステスやスタッフの解雇にまで踏み切るクラブも続出した。
「コロナ禍が沈静化して平常化すれば」と望みを託していたクラブも多かったが、ひとたび飲みに出る習慣をやめた客たちは戻ってこなかった。そのため、今なお経営状態が厳しいクラブは少なくない。






















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