工事はなぜ止めるのが難しいのか? メガソーラー問題で浮かび上がった「林地開発許可」の盲点
むき出しの山肌の上を建設重機が行き来し、建設工事が進む奈良県平群(へぐり)町のメガソーラー。住民が県による林地開発許可の取り消しを求めて起こした裁判は、2月17日、大阪高等裁判所での控訴審が結審した。
昨秋、木々が山の斜面に散乱する造成現場の映像がSNSに投稿された千葉県鴨川市のメガソーラーでも、千葉県が7年前に出した林地開発許可の是非を問う裁判を住民が起こしている。林野庁は制度の手直し作業の最中だ。
大阪高等裁判所で行われていた控訴審が17日、結審
奈良県平群町のメガソーラーは、山林約48haを整地して約5万3000枚の太陽光パネルを敷き、出力約2万kWを生み出す計画で、事業者の協栄ソーラーステーション合同会社(東京)が建設を進めている。
古事記にある、倭建命(やまとたけるのみこと)が詠んだとされる歌に登場する「平群の山」はすでに無残な姿となっている。なのに住民たちが裁判を続ける理由は、下流域に住宅がびっしり建ち、大雨であふれだした水による災害が心配だからだ。すでに2025年5月と、その半年前の2024年11月には、建設現場から土砂が流出する事故が起きている。
下流の水路沿いに住む住民が原告となり、2023年8月、奈良県が出した林地開発許可の取り消しを求める訴訟を提起。県は2019年11月に許可を下したが、内容に誤りがあることがわかり、2022年9月に事業者が申請を出し直し、2023年2月、県は再び許可を出していた。2025年3月、奈良地裁で敗訴した後、22人が控訴。裁判は大阪高裁に移り、原告住民側と奈良県側双方が書面を提出し、主張を展開した。
2月17日に行われた第3回口頭弁論で、原告代理人の室谷悠子弁護士が意見陳述を行い、「森林法が保護している、下流の住民の生命や身体の安全を守ることができない(林地開発)許可が違法であることは明らかです」「森林法では『水害のおそれ』がない場合にしか許可しないことになっているはず」と訴えた。



















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