否定されない「原潜保有論」
原子力潜水艦の保有論が突然持ち上がっている。その始まりは有識者会議による2025年9月の提言である。その後の10月には自民党と日本維新の会による「連立政権合意書」にも保有検討が盛り込まれた。
注目すべきは、防衛省や自衛隊が肯定的に反応したことである。25年12月には小泉進次郎防衛相、26年1月には海上自衛隊(海自)トップの海幕長も検討する旨の発言をした。これは異例の事態である。この種の兵器導入については通例では言及しないからだ。
なぜ、原潜保有論は否定されないのだろうか。核保有論のように保守政治の怪気炎といったレベルで片付けられないのか。自衛隊までも肯定的に取り扱っているのだろうか。
海自が直面している問題を解決できるからだ。海自は潜水艦を南シナ海奥部に送り込もうとしている。ただし、現用の潜水艦は低速な電池式である。そのために往復で行動日数を消費し、現地での作戦日数を確保できないという問題がある。高速移動できる原潜はその解決手段となる。だから防衛省や海自は肯定的態度を示しているのだ。
なぜ、日本は潜水艦を重視しているのだろうか。対中劣勢を覆すうえで不可欠な価値を持つからである。
日本は海軍力でも劣勢となっている。日中の軍艦数には2.5倍近い差がついている。25年12月末時点での駆逐艦とフリゲートの保有数は日本44隻、中国108隻である。その中身も見劣りがする。イージス艦と中華イージス艦の数を比べると日本8隻に対し中国48隻である。これは何を意味するのか。


















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