急浮上する原子力潜水艦保有論・その可能性は(前編)/太平洋戦争での敗北を逆手にとった中国牽制に有効だ

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1つには、現地での作戦活動は6週間程度しか確保できないことである。手間をかけて作戦投入可能な潜水艦を用意して、ほぼ上限の10週間を動かしたとしよう。その場合でも作戦に従事できるのは6週間でしかない。

実際にはそれよりも短くもなる。作戦では展開海面の移動もありえる。海南島周辺以外にも潜水艦の脅威を与えるために南沙諸島や広州・深圳の近くまで移動する事態もありえる。

通常潜水艦の運用上の問題

もう1つは、多数の潜水艦が必要となることだ。南シナ海に2隻を常時展開させる場合、高練度の潜水艦8隻が必要となる。これは片道2週間、作戦行動は6週間、帰港後3カ月は休養などに使う場合の数字である。平均して3週間ごとに潜水艦1隻を出発させて8回24週間で1回転する形である。

また、同じ潜水艦は何回転も使えない。10週間の作戦は3カ月の間隔を挟んでも3回連続は無理がある。それからすれば8隻の2倍の16隻、少なくとも1.5倍の12隻は必要となる。

稼働不能の潜水艦も一定数は出る。修理や改修で動かせない。新造艦で乗員の訓練が終わっていない潜水艦である。それらを総合すると、南シナ海対処だけで20隻近い数が必要となる。

なお、この悪影響については傍証がある。実際に、海自はこの問題への対応を進めている。

まず、行動日数増加のために大型化と動力改良を実施している。海自潜水艦の大型化が急速に進んでいる。冷戦時代は、だいたい2500トンだった。それが1998年に登場した「おやしお」級で3500トン、次の「そうりゅう」「たいげい」で4000トンに達した。ちなみにフランスの原潜は2600トンである。

それにより居住環境の改善と、おそらくは魚雷搭載数の増加を図った。乗員のストレスを減らして作戦期間を伸ばし、そして魚雷を射ち尽くしたため行動期間を余らせて日本に戻る無駄を避ける発想である。

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