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「僕にはヒット狙いか自己満足の二者択一しかない」。『フリクリ』と『ジークアクス』の違い、庵野秀明監督への思い…/カラー鶴巻和哉監督⑤

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鶴巻和哉(つるまき・かずや)1966年生まれ。アニメーション監督、カラー取締役。スタジオジャイアンツ、ガイナックスを経て、2006年庵野秀明氏が設立したカラーへ移籍。「エヴァンゲリオン」シリーズに副監督、監督として30年携わる。最新の監督作品に『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』、2000年代の原案・監督作品に『FLCL(フリクリ)』『トップをねらえ2!』(撮影:梅谷秀司)

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2025年4月、ガンダムシリーズ待望の新作がテレビ放送を開始した。『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』である。平日深夜24時29分からの放送を多くのファンがリアルタイムで視聴。近年のテレビアニメとしては異例の盛り上がりとなった。
ガンダム45年の歴史――。その伝統と魅力を、「エヴァンゲリオン」シリーズで知られるスタジオカラーならではの手法で示した鶴巻和哉監督に、『GQuuuuuuX(ジークアクス)』制作の舞台裏から作品論、オタク論まで聞いたロングインタビュー。ファンに何を提供しようとしたのか、現代オタク文化への所感などを聞いた第4回に続き、第5回(最終回)では、鶴巻監督の仕事論、『フリクリ』と『GQuuuuuuX(ジークアクス)』とで異なっていたスタンス、庵野秀明監督とその監督作品への思い、アニメ業界とカラーの未来について聞いた。

第1回:鶴巻監督が語るガンダム「ジークアクス」制作秘話
第2回:「エヴァ」完結が「ジークアクス」に与えた影響
第3回:「ジークアクス」が取り戻したかった大胆な世界
第4回:「ジークアクス」は自由に遊べる「砂場」を目指した

【主・プロデューサー杉谷勇樹氏インタビュー】
第1回:スタジオカラー杉谷Pが明かす制作現場の現実
第2回:「ジークアクス」を生んだプロデューサー3人の縁
第3回:プロデューサーが見た「ジークアクス」監督の素顔
※本インタビューでは、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の内容に言及します。

監督をやりたいモチベーションは強くない

――庵野秀明監督と一緒に仕事をしてきた中での考えとして、「見えていないかもしれない部分について注意喚起をしておく」「選ぶかどうかは別として、可能性は示す」と(第4回より)。

仕事論に関連して、鶴巻監督は2001年のインタビューで、「自分にとっては『新世紀エヴァンゲリオン』のような作品に参加することが目標だったから、『エヴァ』を終えてアニメ業界に入った目的を果たしてしまった」というようなお話をされていました。次に向けてのモチベーションをどう立て直したのですか?

テレビシリーズの『エヴァ』が終わったあと、庵野が実写に行くんです。映画『式日』や『キューティーハニー』など。でも、当時のガイナックスにはアニメ制作の現場が残されていて、優秀なアニメーターがたくさん育ちつつあった。そんな中で、庵野からも次は「鶴巻がやるしかないんじゃない」という圧力のようなものがあった。

実を言うと、僕は、いまに至っても監督をやりたいモチベーションは強くないんです。アニメを作っていられればいい、絵を描いていれたらいいので。アニメ制作のスタッフの1人でいいし、そのアニメが良くなることに貢献できたらなお良い。でも、当時の状況もあって立場上そうなっちゃったか、という感じです。

次ページ先頭に立って、矢を受ける立場に
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