JR貨物列車に同乗取材「定時運行の敵」雪との戦い 青森―札幌間464kmを運転士が「たすきリレー」

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DF200 JR貨物 運転台 雪景色
DF200形ディーゼル機関車の運転台から見た風景。雪の中で貨物列車とすれ違う(記者撮影)
2025年2月10日付記事(貨物列車の運転席「同乗取材」で見た乗務のリアル)に続く、青森から札幌まで運行する貨物列車同乗ルポの2回目。運転中に運転士に話しかけることは禁じられているため、記事中の運転士のコメントは運転していないときに取材した。

1月30日朝5時50分、日の出前のJR貨物・五稜郭機関区(北海道函館市)はまだ闇に包まれていた。しかし、広い構内の一角にある事務所内は明かりが煌々と灯っている。夜間も運行する貨物列車の業務は24時間体制である。これから函館貨物駅を出発する貨物列車運転士の点呼が行われていた。

運転席は1人でもチームワーク

同乗取材するのは新潟貨物ターミナル駅(新潟県新潟市)を前日の18時38分に出発した3097列車。コメ、菓子、ストーブなどの貨物を19両の貨車に満載し、7時32分に函館貨物駅(北海道函館市)に到着する。機関車を付け替え、運転士を交代し、7時59分に出発する予定だ。

本州からやってくる貨物列車は電気機関車EH800形が牽引しているが、函館から札幌方面は非電化区間が多い。そのため、架線から電気を取るのではなくディーゼルエンジンで発電機を駆動し、その発生電力でモーターを動かして走行する電気式ディーゼル機関車DF200形が貨車を牽引する。

【写真】函館から札幌へ、雪の北海道を走る貨物列車の運転台に同乗。吹雪の中での信号確認の難しさや「秘境駅」を通過する様子など、通常では見られない貨物列車運転のリアル

しかし、DF200形の出力は1900kWでEH800形の半分程度にすぎない。その分を運転士の、極力“手数”を減らす経済運転といった運転技術で補わなければならない。

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