貨物列車の運転席「同乗取材」で見た乗務のリアル 青函トンネル通る、JRの長大編成コンテナ列車
![EH800 運転台 竜飛定点通過](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/e/6/570/img_e61d5019e2d4e5a57a1e7e537dd70370909161.jpg)
貨物列車が青函トンネルに突入し、闇の中を進んでいくと、小さな明るい光が遠くに見えた。対向列車のヘッドランプではない。 光はぐんぐん接近し、運転台の窓いっぱいに広がった。まるで宇宙船が敵の秘密基地内を疾走するSF映画のようだ。
ここは竜飛定点と呼ばれる保守・避難施設。かつての竜飛海底駅である。蛍光灯の灯りがトンネル全体を明るく照らしている。人が降り立つことのないホームを貨物列車はノンストップで通過した。
貨物列車の運転に密着
日本を6つのエリアに分割して運営するJR旅客会社と異なり、JR貨物は北海道から鹿児島まで全国が守備範囲だ。
長距離列車の運転士にはどんな苦労があるのだろう。とくに北海道だ。北海道産のタマネギを全国に輸送する際の鉄道貨物のシェアは64%、北海道着の宅配便に占める鉄道貨物のシェアは20〜30%。北海道の物流にとってJR貨物は欠かせない存在だ。上下合わせて1日約40本の貨物列車が青函トンネル内を行き来する。
極寒の北海道での走行は過酷だ。前が見えないほどの吹雪もあれば、鹿や熊に衝突することもある。機関車と20両の貨車を合わせると長さは425m。これほどの長大編成をたった1人で運ぶ責任感とはどのようなものだろう。貨物列車と旅客列車の運転に違いはあるのか。運転室の中は寒いのか、暖かいのか。
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