戦前の古豪からEF66まで「貨物列車の機関車」列伝 日本経済を支えた国鉄時代生まれの「力持ち」たち

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EF60 貨物列車 国鉄
東海道本線湯河原付近を走るEF60形牽引の貨物列車(撮影:南正時)

日本で貨物列車が初めて走ったのは、1872年に初の鉄道が新橋―横浜間に開業した翌年の1873年9月で、横浜港からの輸入品が東京に運ばれたのが最初だった。それ以降、全国に広がった鉄道網は貨物輸送の大動脈として明治から現在まで日本の発展を支えてきた。

貨物列車といえば長い編成の貨車を思い浮かべる人が多いだろう。大量の貨物を輸送するためには機関車の進化も欠かせなかった。今回は貨物列車とそれを牽引した機関車、主に国鉄時代の電気機関車を中心に、撮影の記憶を交えて発展の経緯をたどりたい。

「貨物用」機関車の登場

日本の鉄道は蒸気機関車(SL)から始まった。当初はすべて輸入に頼っていたが、1893年に1B1形複式タンク蒸気機関車(後の860形式)を国内で初めて製作した。これが国産第1号の機関車である。1898年8月には東海道線全線で貨物輸送を開始、1913年には京都梅小路駅に初の貨車操車場が誕生した。

【写真】上越線で貨物列車を牽いて力走するEF15形、青梅線で活躍したED16形、「マンモス」と呼ばれた大型貨物機のEH10形、ブルートレイン牽引でも人気を集めたEF66形など、貨物列車を牽引した国鉄電気機関車の数々

貨物量が増え、輸送が長距離化すると貨物専用の機関車が必要となり、登場したのが9600形蒸気機関車だ。9600形は貨物専用機としてその牽引能力が買われ、北海道や九州の炭鉱地帯に配属されて活躍したのをはじめ、全国各地で貨物列車を牽いて走った。

大正時代以降、電化の時代が本格的に到来すると、貨物列車用の電気機関車が相次いで造られるようになる。

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