客車の牽引に奮闘した「ディーゼル機関車」の記憶 ブルトレから普通列車まで、SL時代は「憎まれ役」
JR線上から機関車牽引の定期客車列車が姿を消して久しい。今では私鉄を含めSL列車や観光列車で見られる程度となっている客車列車だが、かつては普通列車からブルートレインなどの優等列車まで、全国各地で見られる存在だった。
国鉄時代から客車列車は電車や気動車に押されて減少傾向にあったが、その中でも比較的長らく活躍していたのが非電化区間のディーゼル機関車(DL)牽引による客車列車であろう。今回は、全国各地を走った「客車を牽引したディーゼル機関車」を、国鉄・JRのほか私鉄も含めて取り上げたい。
「憎まれ役」だったディーゼル機関車
ディーゼル機関車は戦後、「無煙化」とともに活躍の範囲を広げていき、蒸気機関車を引退に追いやった。それだけに当時の鉄道ファンからは「憎き存在」として扱われ、カメラを向けるファンはほとんどいなかった。近年はDD51形などのファン人気が高いが、隔世の感がある。
日本初の幹線用ディーゼル機関車は、1953年に登場したDD50形である。この機関車は6両の製造にとどまり、北陸本線の米原―田村間などで使われたが、57年から導入が始まったDF50形は量産され、北海道を除く全国各地に進出した。
そして本格的なDL時代の到来を告げたのは、62年に登場した凸型車体のDD51形であった。昭和40年代には、全国の非電化路線でディーゼル機関車が蒸気機関車を駆逐していった。



















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