「EF64形」勾配路線の主力だった電気機関車の軌跡 中央本線や上越線などで活躍、国鉄生まれの「山男」
中央本線や上越線、伯備線などの山岳・勾配路線で活躍を続けてきた、国鉄が生んだ高性能電気機関車がEF64形だ。貨物列車を中心に、かつてはブルートレイン「北陸」「出羽」「鳥海」などの先頭にも立ち、幅広く運用されてきた。
国鉄時代の電気機関車が相次いで姿を消す中、近年まで各地で活躍が見られたEF64形も首都圏では定期運用がすでに消滅し、2025年12月の時点では中央西線と伯備線での貨物列車で運用される程度となった。今回は「山男」の電機EF64形を中心に、ほかの勾配用電気機関車についても織り交ぜながら振り返ってみたい。
勾配路線用の青い電気機関車
EF64形は、同じ形式ながら外観が大きく異なる2つのタイプがある。1964~1976年に製造された「0番台」と、耐寒耐雪装備を強化して1980~1982年に製造された「1000番台」だ。
国鉄は1960年代に新型電気機関車を相次いで投入した。勾配区間用としては、日本一の急勾配で知られた信越本線の碓氷峠(横川―軽井沢間)専用の補助機関車であるEF63形、同区間を直通する列車用として開発されたEF62形があったが、そこまでの特殊仕様は必要なくても、勾配の多い山岳路線は各地に存在する。こうした路線用に製造されたのがEF64形だ。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら