「EF81」万能選手の電気機関車"ハチイチ"の記憶 ブルトレから貨物まで牽引、「日本海縦貫線」の主力

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EF81 1号機 新疋田 日本海牽引
ブルートレイン「日本海」を牽引して北陸本線新疋田付近を走るEF81形のトップナンバー、1号機(撮影:南正時)

長年、日本海縦貫線の主力機関車として特急列車や貨物列車、季節・臨時列車などを牽引してきた国鉄電気機関車の傑作機がEF81形だ。

「ハチイチ」と呼ばれ全国で活躍してきたこの機関車も、後任の新型機関車の登場や機関車そのものの用途が減ったことで近年は急速に姿を消し、この2025年3月にはついに最後の定期運用が消滅した。「ハチイチ」への惜別を込めて、我が国の鉄道輸送に大きく貢献したその活躍ぶりを振り返ってみたい。

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電化区間ならどこへでも

EF81形は、直流電化区間と交流電化区間、さらに交流の50Hzと60Hzという周波数の異なる区間を直通して走行できる交直両用の電気機関車として、1969年に運用を開始した。

当時、すでに交直両用の電気機関車にはEF80形があったが、こちらは常磐線を中心に活躍したのに対し、EF81形は直流と交流、さらに交流でも周波数の異なる区間がある日本海縦貫線を通して運行可能な、さらに進化した機関車として開発された。

【写真】ブルートレイン「日本海」「つるぎ」や「ゆうづる」、そして「北斗星」「トワイライトエクスプレス」などの花形列車から日本海縦貫線を駆け抜ける貨物列車まで幅広く活躍したEF81形。国鉄時代から近年のJR時代まで貴重な場面の数々

登場後は、当初の目的である日本海縦貫線や常磐線をはじめ、一部仕様を変更した車両が関門トンネル区間の特殊用途にも使用され、ブルートレインなどの旅客列車から長距離貨物列車まで日本国内の電化区間の大半に活躍の場を広げていった。

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