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ブラジル進出の中国企業に"カルチャーショック"の洗礼。そこから学び適応する中国人上司とブラジル人社員たち

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ブラジルは南アメリカ最大の経済規模を持ち、中国企業が続々と進出している。写真は中国の自動車メーカーの現地工場(撮影:財新記者 張芮雪)
中国の輸出攻勢に対して多くの国が自国産業保護に傾く中、海外進出を急ぐ中国企業が増えている。カルチャーショックにさらされつつも、試行錯誤を重ねて現地化に邁進する様は、かつての日本企業を彷彿させる。
ブラジルに進出した中国企業を現地取材した「財新」のルポをお届けする。

ブラジル東部時間午後4時10分、ある中国企業の現地工場の生産ラインはすでに静まりかえっていた。退勤時刻までまだ20分を残すが、ブラジル人従業員たちは早々と帰り支度をすませ、タイムカードマシンの前に長い行列をつくっていた。

そして午後4時30分、従業員たちは一斉に工場を飛び出し、外で待機していた送迎バスに乗り込んだ。この企業では10を超えるルートの送迎バスを運行しており、約80キロメートル離れた隣の市に住む従業員も自宅近くまで送り迎えしてもらえる。

バスが走り去ったのを見届けると、工場長の王海軍氏(仮名)は自分のオフィスに戻り、仕事を再開した。

王氏によれば、以前の終業時刻は午後6時だったが、数週間前に全従業員による“投票”を行った結果、始業時刻と終業時刻を前倒しすることになった。ブラジルの商業施設は夜間や週末に営業しないところが多く、従業員が買い物やスポーツジムに出かける時間を確保するためだ。

残業させるには“投票”が必須

中国人の感覚では、ブラジルの労働者保護制度は驚くほど手厚い。法定労働時間は1日8時間、週44時間が上限だが、年間の実働期間は8カ月を超えてはならない。また、残業を実施するには事前交渉と労働者の投票(による合意)が不可欠だ。

工場に急ぎの受注が入っても、土曜日に残業させたければ少なくとも2週間前に労働組合に通知しなければならない。さらに組合の了承の下で全従業員の投票を行い、過半数の同意が得られれば残業を実施できる。

だがそれでも、労働者には残業を拒否する権利が保証されている。実際に残業するかどうかは個々の従業員次第であり、経営側が必要な人手を十分確保できるとは限らないのだ。

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