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【20人が5時間半も】東京スカイツリー・東芝製エレベーターで閉じ込め事故、「安全のために止まりすぎる」矛盾

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高さ634メートルの東京スカイツリー。40人乗りのエレベーターが4階から地上350メートルの展望デッキまで約50秒で結んでいる(撮影:今井康一)
2月22日東京・墨田の東京スカイツリーで起きた「エレベーター閉じ込め」。20人の乗客が地上30メートルで急停止したエレベーターに閉じ込められた。隣に移動した別のエレベーターに乗り移るという方法で救出されたのは、発生から5時間半後だった。幸いけが人はいなかった。
閉じ込めが起きたエレベーターは東芝エレベータ製で、保守・点検も同社が行っている。スカイツリーには40人が乗れるエレベーターが4基設置されており、地上350メートルの展望デッキまで約50秒で結んでいる。今回は2基が緊急停止し、そのうち1基に乗客が乗っていた。
原因はまだ調査中(東芝エレベータ)ではあるが、エレベーターの安全設計や危機管理などに詳しい日本大学理工学部の青木義男特任教授に、考えられる原因や得られる教訓について聞いた。

スカイツリーのエレベーターは特殊

ーー日本において、高層ビルのエレベーターに長時間閉じ込められる事故というのはあまり聞いたことがありません。

そもそも、設置されている場所が特殊だ。日本には高層のランドマークがいくつかあるが、あそこまで高い建物は少ない。さらに、40人を乗せて、高速で高いところへ運ぶというのはなかなかない。

そういう意味で今回のケースは非常にまれだと考えるのが自然だ。

ーースカイツリー規模の高層建築物向けのエレベーターを設計・開発、あるいは運用する難しさはどこにあるのでしょうか。

性能面だけでなく、今回のような故障が起きた時にどう救出するかを考えるのがとても難しい。

今回、他にない形で救出方法を取れたのは、メーカーが「いざというときにどう救出するか」を考えていたからだろう。通常、高層ビルにはフロアがあるので、止まってしまっても最寄り階に避難させることができる。

ところが、スカイツリーは5階から上は340~350メートルの展望デッキまで何もない。そこで緊急停止したら、点検する人が使うようなはしごなどを使って避難することしかできない。一般の人には危険だ。

そうした問題を東芝エレベータがよく考えていて、乗り物の側面に緊急避難の脱出経路を作り、いざというときは隣の動いているエレベーターを横付けして、そこへ避難させ、そのエレベーターで安全に降ろす方法を開発段階で検討し、実装していた。

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