有料会員限定

「軍事大国イラン」が崩壊、シーア派イスラム主義体制は瓦解へ/指導者不在で国内は混乱し、エネルギーカードでロシアに有利な状況が生まれる

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
イランのテヘラン・革命広場で最高指導者の暗殺を悼む人々。この場所では米空母へのイランのミサイル攻撃を描いた巨大な横断幕が掲げられた (写真:Getty Images)

特集「イランショック」の他の記事を読む

国際社会のゲームのルールを根本から変えかねない大きな事件が起きた。2月28日、アメリカとイスラエルがイランを先制攻撃した。両国の狙いは、イランのイスラム革命体制を転覆することだ。同日、イスラエルのネタニヤフ首相とトランプ米大統領は、イランの最高指導者ハメネイ師が今回の攻撃で死亡したという見方を示した。翌3月1日、イラン国営メディアも、死亡を確認した。外国の国家元首を殺害して政権転覆を図るという、前代未聞の事態が生じた。

国際法は「生き物」

まず本件に関し、国際法違反であるという批判がある。〈米軍によるイランへの攻撃について、トランプ米政権はイランの「差し迫った脅威」があったと主張するが、法的根拠が乏しいとの批判が上がっている。トランプ大統領の国際法軽視の姿勢が鮮明になっている。〉(3月1日「読売新聞」)

佐藤優氏によるコラム。ビジネスパーソンに真の教養をお届け。【土曜日更新】

筆者は、今回の攻撃が国際法に合致しているか否かというような議論には意味がないと考える。国際法は「生き物」だ。アメリカとイスラエルによるイランの体制転覆を目的とした軍事行動という現実が、「新しい国際法」を形成しつつあると筆者はみている。

トランプ氏は1月、アメリカ軍がベネズエラを攻撃した際に国際法についてこう述べた。〈トランプ米大統領は(1月)8日公開の米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで「国際法は必要ない」と明言した。トランプ政権として国際法には従うと述べつつ「国際法の定義次第だ」と語った。/インタビューは7日に実施した。米軍の最高司令官としての判断について「自らの道徳観」にのみ制約されると表明した。〉(1月9日「日本経済新聞」電子版)

次ページ高市早苗首相と外務省の対応
関連記事
トピックボードAD