
中国政府は10月9日、レアアース(希土類)の輸出規制を強化する一連の措置を発表した。それに対して、アメリカのドナルド・トランプ大統領は強烈な拒否反応をあらわにした。対抗措置として中国製品に対する追加関税を11月から100%に引き上げるとともに、(半導体設計用など)アメリカ製の重要なソフトウェア製品に新たな輸出規制を導入する意向を表明したのだ。
トランプ大統領の反応は、中国に弱点を突かれたことに対する焦りの表れとも言える。では、中国のレアアース輸出規制の何が、トランプ大統領の焦りを駆り立てているのか。
今回発表された新規制は、中国商務省および海関総署(税関)が25年4月に導入したレアアース輸出規制を拡大するものだ。4月の時点では、中・重希土類に分類されるサマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウムの7種類の元素が輸出規制の対象に加えられた。
中・重希土類をすべて網羅
そして今回、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、ユウロピウム、イッテルビウムの5元素が対象に追加され、中・重希土類のすべての元素が所管当局の許可なく輸出できなくなった。
(訳注:新規制ではレアアース製品の輸出にとどまらず、分離精製や磁石製造の技術輸出、中国国外の企業が中国産レアアースを使った製品を第3国に輸出する場合などについても、輸出許可の取得を義務づけた)
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