
中国政府の商務省と海関総署(税関)は4月4日、レアアース(希土類)のうち中・重希土類に分類される7種の元素を輸出規制の対象に加えると発表し、即日実施した。
具体的にはサマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウムの金属、合金、化合物、混合物などが対象で、所管当局の許可を得なければ輸出できなくなった。
「わが国は法律に基づいて対象物資の輸出規制を実施する。その目的は国家安全保障および国益保護を強化し、軍事転用が可能な物資の拡散を防ぐ国際的義務を果たすことにある」。中国商務省の報道官は、声明の中でそう強調した。
(訳注:中国政府がレアアースの輸出規制に踏み切った実際の狙いは、アメリカのトランプ政権が打ち出した対中関税への対抗とみられている)
中国の業界も「寝耳に水」
「寝耳に水で驚愕した。心の備えがまったくできていなかった」。財新記者の取材に応じたレアアース業界の複数の関係者は、そう口をそろえた。突然の発表が業界関係者に与えた衝撃は大きく、ビジネスの先行きに対する不安が急速に広がっている。
なお、中国の輸出管理行政に詳しい専門家によれば、輸出規制の最も重要な役割は対象物資の最終的な使用者と用途を把握することにある。「輸出規制イコール輸出禁止ではない。合法的な取引に関しては輸出許可証を取得できる」と、この専門家は解説した。
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