
新宿駅前では、京王電鉄や小田急電鉄など複数の再開発が進行する(撮影:今井康一)
「新築工事の着工に至っておらず、工期の見直しを行うことを決定した」。今年3月、京王電鉄が公表したリリースには駅前再開発の苦悩がにじんでいた。
世界一の乗降客数を誇る新宿駅で京王とJR東日本が手がける「西南口地区開発」。その「南街区」では高さ約225メートル、地上37階建ての複合ビルを造る計画を掲げる。当初の工事完了予定は2028年度としていたが、3月のリリースでは「未定」とした。「事実上の白紙」(私鉄大手幹部)という状況が続いている。
背景に建設業の人手不足
理由は、建設する施工候補会社と協議中で、契約が決まっていないことだ。「建築費の高騰と、その背景にあるが難題だ」と京王電鉄開発企画部の秋田賢太郎企画担当課長は語る。
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