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日本製鉄が新中経で「世界No1への復権」宣言、カギはUSスチールを筆頭とする海外、今井社長が語った勝ち筋と課題

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今井正社長が新中期経営計画の説明や質疑応答を一手に引き受けた(写真:編集部撮影)

「世界ナンバーワンの鉄鋼メーカーへ復権を果たす!」

この夏にアメリカの名門鉄鋼メーカー・USスチールの買収劇で逆転勝利を収めた日本製鉄が、2030年度までの中長期経営計画をまとめた。

5年間で6兆円の投資を行うことが柱で、その過半を海外に振り向ける。在庫評価差等を除いた”実力ベース”の事業利益(IFRSの営業利益から一時的な損益を除いたもの)を、今年度見通しの6800億円から1.5倍の1兆円以上に押し上げることを目指す。

新中経を公表した12月中旬に東京都内で記者会見を開いた今井正社長は、厳しい事業環境認識を口にしつつ、強気な発言を繰り返した。

海外事業の稼ぐ力を「4倍超」に

「1兆円以上」達成のカギとなるのが海外だ。本体(製鉄)海外事業と原料事業からなる海外事業の実力利益について、25年度見通しの1150億円を4倍超となる「5000億円以上」に増やす計画。他方、国内製鉄事業に鉄グループ会社と非鉄3社(日鉄ソリューションズなど)を合わせた国内事業の実力利益は25年度見通しの5650億円から「5000億円以上」と、若干減を見込む。

新中計の5年間で6兆円を予定する戦略投資も海外に重点投入される。会見では今井社長が「2対1で海外に(多く)投資する」「国内の投資は相当絞り込んだ形になる」と説明した。

16~20年度の中計では、3.1兆円の戦略投資を行ったが国内5に対し海外はわずか1だった。21~25年度は2.7兆円を投じたUSスチール買収があったため戦略投資は7.5兆円に達したが、国内8に対して海外7と、USスチール買収があってなお国内への投資が多かった。新中経では初めて海外が国内を上回ることになる。

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