
鉄鉱石を還元し鉄を精製する高炉。設備過剰にあり国内では休止が相次ぐ(写真:編集部撮影)
分断・多極化する世界で、新しい視界を開くことができるか。日本が向かうべき道とは──。本特集では、株式・マネーから日本の政治経済、世界情勢、産業・企業動向、そしてスポーツ・エンタメまで。2025年の注目テーマを徹底解説する。
「未曾有の厳しい事業環境」。鉄鋼国内トップの日本製鉄が2024年に決算説明会で繰り返した表現だ。2025年3月期上期の日鉄の事業利益は3757億円で前年同期比24%減。2番手のJFEホールディングスの事業利益も818億円と前年から半減した。
国内の建設・土木向け鋼材は現場の人手不足による工事の進捗遅れで受注の弱い状況が続く。加えて2024年は、自動車メーカーで相次いで発覚した認証不正のあおりを受け、自動車向け鋼材出荷が減少したことが打撃となった。
中国ファクターが追い打ち
追い打ちをかけるのが中国ファクターだ。中国から国外に流出する余剰鋼材の影響が顕著になってきた。不動産不況を発端とする鋼材需要の低迷が続く中国では、国内で消費されずに余った鋼材が輸出に振り向けられている。
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