国内外でエネルギー情勢が激変する中、電力の安定供給、脱炭素といった重要課題にどう取り組んでいくのか。大手電力各社が加盟する電気事業連合会(電事連)の林欣吾会長(中部電力社長)に聞いた。
エネルギー業界の転換点
──2025年の電力業界を振り返ってください。
26年を考えるうえでも25年という年の重要性に言及する必要がある。25年はエネルギー政策にとって転換点の年だった。2月に「第7次エネルギー基本計画」および「GX(グリーントランスフォーメーション)2040ビジョン」が閣議決定された。
それまで再生可能エネルギーか原子力かといった二項対立的なイメージが持たれてきたが、火力発電も含めてすべての電源を総動員しなければ電力の安定供給は果たせないという考え方が明確になった。
7月には、全国の電力供給を調整する電力広域的運営推進機関が50年の電力の需給シナリオを公表した。経済が成長し、データセンターや半導体工場などの新設により電力需要が伸びていった場合、原子力発電所のみならず火力発電所の新設・リプレースも必要不可欠という結果が示された。今後、脱炭素を前提としながらも火力発電への投資も必要だ。



















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