〈広がる不安〉「関東の工場がなくなる」、日産サプライヤーを襲う苦悩・・・栃木工場の低すぎる稼働率に生産撤退を検討する部品メーカーも
経営不振が続く日産自動車。過剰だった国内工場の削減を進める一方、存続する工場の中でも地域によって極端な繁閑の差が生じ、取引先の間で不安の声が広がっている。
「日産の関東での生産が壊滅的な状況だ。追浜工場の閉鎖は決まったが、稼働が低迷する栃木工場には新車を入れる計画はあるのか。一刻も早くはっきりと方針を示してほしい」
神奈川県に本社を置く、ある自動車部品メーカーの首脳はそう日産への不満を打ち明ける。
日産の九州シフトが鮮明に
日産は今年7月に追浜工場と子会社の湘南工場(ともに神奈川県)の車両生産終了を決めて以降、九州の2工場へ生産をシフトする構えを鮮明にしている。
追浜工場では「ノート」、「ノートオーラ」などのコンパクトカーの生産を2028年3月までに終了し、日産自動車九州の工場(福岡県苅田町)へ移管する。これにより、「九州工場の稼働率は100%に到達する(現在は約6割)」と、イヴァン・エスピノーサ社長は明言している。

また隣接する日産車体の九州工場では、この冬に2直から3直(24時間操業の3交代制)に移行する。26年夏の販売開始へ向けて高級ミニバンの新型「エルグランド」の生産が立ち上がるほか、中東で販売が好調な大型SUV(多目的スポーツ車)「パトロール」の国内導入(27年度前半)も決まっているためだ。



















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