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〈広がる不安〉「関東の工場がなくなる」、日産サプライヤーを襲う苦悩・・・栃木工場の低すぎる稼働率に生産撤退を検討する部品メーカーも

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こうした日産の“九州シフト”に対応する形で、取引先も生産拠点の再編を急ぐ。

ドア・天井部品を手がける河西工業(神奈川県寒川町)は、現在、本社に併設する寒川工場の再編を検討中。樹脂部品やエアバッグが主力の日本プラスト(静岡県富士宮市)は、九州工場(福岡県)と富士工場(静岡県)で生産していたハンドル部品を富士工場で一貫生産できるよう集約する。日産・追浜工場向けの供給がなくなるのを機に、生産効率化を図る方針だ。

自動車用シートを手がけるタチエス(東京都青梅市)は、日産に先んじて数年前から平塚や青梅の工場を閉鎖し武蔵工場(埼玉県入間市)へ生産を集約しており、追加の工場再編は予定していない。ただ、追浜工場で生産する現行車種で受注しているシートフレームなどの取引は、九州工場への生産移転で失う可能性が高い。山本雄一郎社長は「今後は得意先の戦略を捉えて、九州地方での受注活動を進めていく」と宣言する。

サスペンションなど足回り部品を手がけるヨロズ(神奈川県横浜市)は、新型「パトロール」などの大型フレーム部品を受注した。同社幹部は「九州で生産する車種は単価が高く利幅も大きい。積極的に受注拡大を狙いたい」と語る。

ヨロズが日産から受注したラダーフレーム部品。難成形部品だが、超ハイテン材を活用し軽量化と高い耐久性を実現した(撮影:尾形文繁)

部品メーカー各社は人員や設備の移転準備を急ぐが、早くも「九州では増産対応が間に合わない」といった声が上がる。

栃木工場の稼働率は追浜を下回る

一方、稼働率が低迷し、サプライヤー各社が対応に苦慮しているのは栃木工場だ。

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