自民党が単独で3分の2の議席を確保した今回の衆議院総選挙は、国際政治の激変に直面する日本政治の大きな転換点となった。それは戦後、革新勢力が標榜してきた「護憲平和」という政治理念が、もはや有権者の選択を左右する軸ではなくなったことを意味する。
転機となったのは、立憲民主党と公明党が合併して結成した中道改革連合である。長らく公約として掲げてきた脱原発や安保法制違憲論が退けられた結果、これらの論点は中道と自民党との間で争点ではなくなった。
この路線転換に反発が広がっていれば、共産党や社民党が議席を伸ばしただろう。実際、「ママ戦争を止めてくるわ」というハッシュタグが一部で拡散されたが、その動きが選挙結果に影響を及ぼすことはなく、両党とも議席を減らした。若年層の支持が伸びなかった点では左派も中道も同様だった。
有権者の支持を失った左派の主張
高市早苗首相の安全保障関連の公約が日本を戦争へと導くという批判は、「55年体制」下の社会党や共産党の常套句をなぞる形だった。だが、もはやそうした声は通らなかった。防衛問題をすべて憲法9条に結び付け、安全保障政策に関して一切の議論を封じる左派の主張は、有権者の支持を失ったのだ。
その喪失感からであろうが、自民党が保守的な施策を次々に推し進めるのではないかという疑念が広がっている。中道の惨敗によって、立憲民主党という「リベラル」勢力が消滅し、抵抗する拠点がなくなったからというのだ。だが、高市政権にそのような態勢が整っているようには見えない。
そもそも衆院選でのここまでの大勝を自民党自身、予想していなかったようだ。選挙戦を通じて明確な手応えがあったとも言いがたい。中道も、それなりの感触を得ながら惨敗した。野党は多くの党がさほど議席を伸ばせなかった。






















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