高市早苗首相は、解散・総選挙という大きな賭けに勝った。内閣支持率は高水準で推移していたが、自民党支持率は盤石ではなく、地方選挙では思わぬ取りこぼしもあった。必勝を確信できる選挙ではなかったはずだ。
そのうえ、解散表明後、衆議院の立憲民主党と公明党が新党を結成して合流、「中道改革連合」が発足した。公明票が自民党候補から野党候補に回れば、選挙区の情勢が一変するとの見方も広がり、与党優位は揺らぐとの報道も少なくなかった。
31都県で自民党が議席を独占
結果として、自民党は定数の3分の2(310議席)を超える316議席を獲得し、結党以来の歴史的大勝利を収めた。小選挙区では31都県で全勝し、議席を独占した。報道各社によれば、衆院で1つの政党が単独で3分の2以上の議席を獲得するのは戦後初だ。
参議院では与野党が拮抗し、自民党はなお少数与党であるが、政権運営の自由度は一気に高まった。この勢いであれば、衆院議席の3分の2以上で可能となる「衆議院の再可決」を使わなくても、協力者が出てくる可能性もある。少数与党に転落した2024年10月の総選挙以来続いてきた苦境から脱したと言ってよい。
もっとも、この大勝を自民党の一方的な強さだけで説明するのは適切ではない。相手が弱く、分裂していたという側面も大きかったのではないか。
今回の選挙の明確な敗者は、中道改革連合だ。議席は49と、公示前の167議席から3分の1以下にまで減った。大物議員も相次ぎ議席を失った。予想を超える劇的な敗北も、後知恵で考えれば、それなりの理由があった。




















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