昨年から負け続きの自民党が大勝するとの議席推計が示されている(写真:Bloomberg)
白熱する総選挙で街頭に響くのは、心地よい「消費減税」の合言葉ばかりだ。食料品消費税ゼロ、一律の消費減税、大規模な給付──与野党を問わず、政治家たちは競うように「バラマキ」のメニューを並べ立てている。
こうした中、朝日新聞の調査で、昨年から負け続きの自民党が大勝するとの議席推計が示され、衝撃が走った。仮にそうなれば、戦後80年を経て、日本の政治はいよいよ「国を売るチキンゲーム」の最終段階に入ることになる。
現代の通貨は、金や銀などの現物資産の裏付けを持たない。こうしたお金は、不換紙幣、フィアット通貨、信用通貨などと呼ばれる。フィアットはラテン語の「fiat(命じられた)」に由来し、政府による法的な強制通用力を持たされた通貨を指す。
ビットコインは何の資産の裏付けもない電子データにすぎないから「バブルだ」という主張がある。しかし、われわれの「円」(やドル、ユーロ)も、本質的には資産の裏付けを持たないバブルだ。
「国を売るチキンゲーム」とは何か
ここで「信用通貨」という呼び名が重要になる。円の価値を裏付けるものは現物資産ではなく、経済力や統治能力(政治力)という、国に対する信用だ。国は国民に対する強制力(徴税権や円の強制通用力)を持つがゆえに、われわれは円に対し、一定の信用を置いている。
グローバルな為替市場における通貨の立ち位置は、その国の相対的な信用力を映し出している。戦後の日本は経済発展と比較的安定した政治が続き、変動相場制に移行した1970年代以降、大きな流れとしては円高基調が続いてきた。

上図を見ると、バブル崩壊後の90年代も1ドル=110円前後を維持し、2009〜12年頃には1ドル=100円を割る超円高が出現したことに首をかしげるかもしれない。
しかし、これも「相対的な」信用力と考えれば腑に落ちる。90年代、日本はGDP(国内総生産)でアメリカに接近する絶対的な第2位の経済大国だった。09年以降の超円高は、リーマンショックでアメリカ経済への不信感が高まり、日本の相対的な地位が一時的に上がった結果(優勢だったアメリカが低成長・低金利に突入)と捉えることができる。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら