27年ぶりの水準となった長期金利急騰の「正体」、金利上昇の要因と高市政権の政策には「ねじれ」が生じている
日本国債の金利が上昇している。2025年10月の高市政権発足以降、長期金利(10年国債金利)は上昇傾向にあった。それが26年1月19日の衆議院解散会見によって上昇の動きが一段と加速し、長期金利は一時2.37%と27年ぶりの水準となった。
なぜ長期金利が上昇しているのだろうか。一般に長期金利は、経済成長率、インフレ率、財政状況などの要素を市場が先取りする「需給」で決まる。つまり理論上は、景気拡大で物価が上がれば金利が上昇し、景気悪化で物価が下がれば金利も低下する。
また、政府の借金が増えて財政悪化懸念から「返済能力が低い」と見なされれば、その分だけ上乗せ金利が発生して金利の上昇につながる。
市場では、こうした要素を先取りしながら売買が繰り返されており、最終的には「買い」と「売り」の需給関係によって決まる。つまり、「買い」が強ければ価格上昇=金利低下、「売り」が強ければ価格低下=金利上昇という関係だ。

金利上昇の真因
では、今回の金利上昇の理由は何だろうか――。高市政権発足後、その経済政策は「サナエノミクス」と呼ばれ、積極財政+金融緩和路線と解釈された。インフレ時に積極財政+金融緩和政策を行うと、さらにインフレ基調が強まると思われるが、高市政権は物価高対策や成長分野投資を推進し、積極財政でインフレをめぐる課題を支援する。
また金融政策に関しては、利上げに対し否定的だった。これらの方針を受け、市場では経済成長期待とともにインフレ基調が強まるとの見通しから、株高、円安、債券安(金利上昇)となった。
それに対し、高市首相は「責任ある積極財政」を打ち出した。具体的には「政府純債務残高/名目GDP比」の低下を目指す目標を設定し、債務が拡大しないよう財政政策を行うというものだ。これは、高市政権の政策が財政悪化につながり、円安、債券安(金利上昇)になっているとの見方への対応とみられる。
だが、実際に市場で起きていたことは、成長・インフレ期待に伴う反応であり、財政悪化懸念は長期金利上昇の主たる要因ではないと筆者はみている。



















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