──WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)原油の先物価格は3月9日に一時、1バレル当たり120ドルに近い水準まで急騰しました。
当初、マーケットでは、アメリカ、イスラエルの軍事力により、イランは戦争継続の能力を早期に失うだろうとの見方が多かった。しかし、イランは徹底抗戦を続け、開戦から1週間が経過する中で、事態が長期化するとの観測が広がっている。
ホルムズ海峡は現在、事実上の封鎖状態にあるうえ、イランや周辺諸国での石油の供給設備に被害が広がり、戦闘が終わってもしばらくは原油の供給量は元に戻らないだろうといった見方が強まっている。
原油価格はこの1週間でさまざまなリスクを織り込みながら高騰した。今から振り返ると、当初のマーケットの見方は楽観的すぎたとも言える。
石油備蓄放出の効果は持続的でない
──3月9日は午後以降、1バレル100ドル近辺まで下がりました。これにはどのような要因が関係しましたか。
G7が9日の緊急会合で石油備蓄の共同放出を協議する、とフィナンシャルタイムズ紙が報じたことがある。ただ、放出量は少量にとどまると見られ、需給面に与える影響は大きくないだろう。
そもそも、石油備蓄の放出は、原油価格の上昇を抑えるためのものではなく、原油の調達が困難になるような緊急事態の際に企業に原油を供給し、経済活動を維持することが目的だ。為替介入と同様に原油市場に心理面で一時的に影響を与えることは可能だが、長期にわたって持続的に原油価格を押し下げることは難しい。





















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