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原油価格が一時120ドルに接近、ガソリン価格や物価への影響は?野村総研・木内氏が指摘する原油高・円安・景気減速の三重苦

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ガソリン1リットル200円なら補助金復活も(写真:2nd-Edition / PIXTA)

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イスラエルおよびアメリカによるイランへの先制攻撃に端を発した中東での戦争は、当初の大方の予想に反し、長期化の様相を呈している。原油価格は高騰し、経済への悪影響が及び始めている。
原油価格の高止まりが続いた場合の日本経済や家計への影響について、野村総合研究所・エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏にインタビューした。


──WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)原油の先物価格は3月9日に一時、1バレル当たり120ドルに近い水準まで急騰しました。

当初、マーケットでは、アメリカ、イスラエルの軍事力により、イランは戦争継続の能力を早期に失うだろうとの見方が多かった。しかし、イランは徹底抗戦を続け、開戦から1週間が経過する中で、事態が長期化するとの観測が広がっている。

ホルムズ海峡は現在、事実上の封鎖状態にあるうえ、イランや周辺諸国での石油の供給設備に被害が広がり、戦闘が終わってもしばらくは原油の供給量は元に戻らないだろうといった見方が強まっている。

原油価格はこの1週間でさまざまなリスクを織り込みながら高騰した。今から振り返ると、当初のマーケットの見方は楽観的すぎたとも言える。

石油備蓄放出の効果は持続的でない

──3月9日は午後以降、1バレル100ドル近辺まで下がりました。これにはどのような要因が関係しましたか。

木内登英氏の写真
木内登英(きうち・たかひで)/1963年生まれ。87年野村総合研究所入社。一貫して経済調査畑を歩む。90年野村総合研究所ドイツ(フランクフルト)、96年野村総合研究所アメリカ(ニューヨーク)で欧米の経済分析を担当。2004年野村證券に転籍し、07年経済調査部長。12年7月~17年7月、日本銀行政策委員会審議委員。現在、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミスト(撮影:尾形文繁)

G7が9日の緊急会合で石油備蓄の共同放出を協議する、とフィナンシャルタイムズ紙が報じたことがある。ただ、放出量は少量にとどまると見られ、需給面に与える影響は大きくないだろう。

そもそも、石油備蓄の放出は、原油価格の上昇を抑えるためのものではなく、原油の調達が困難になるような緊急事態の際に企業に原油を供給し、経済活動を維持することが目的だ。為替介入と同様に原油市場に心理面で一時的に影響を与えることは可能だが、長期にわたって持続的に原油価格を押し下げることは難しい。

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