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「中道」という政党に大きな違和感を覚える理由、「中間は常に悪である。中間の人間は戦いに関与しないことを是とし、真実を抹消する」

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「中道改革連合」の野田佳彦共同代表(写真:ブルームバーグ)

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「すべての事柄には二つの側面がある。一方は正しく、もう一方は誤りだが、中間は常に悪である」(アイン・ランド『肩をすくめるアトラス』第3部「AはAである」 第7章「こちらジョン・ゴールト」より)

1月27日に公示された第51回衆議院選挙に先立ち、公明党と立憲民主党が合流し「中道改革連合(Centrist Reform Alliance)」が結成された。この政党が掲げる「中道」とは、野田佳彦共同代表によれば、「中道は右にも左にも傾かずに、対立点はあるかもしれないが熟議を通して解を見出していく」こと、斉藤鉄夫共同代表によれば「分断と対立が続く世界にあって近隣の国々とも対話によって友好関係を保ち、安定と平和を守っていく」ということらしい。

特定のイデオロギーや思想にこだわることなく、左右の中間の施策を探り、紛争は話し合いで解決するという決意表明だろうか。

いたずらに対立を煽らず、議論を通じて問題解決の糸口を探るのは政治に限らず人として当然の知恵だろう。だが政党としての「中道」の名称に、筆者は大きな違和感を覚える。この政党名が示すのは、新党の拠り所となる方針ではなく、「左右両極端より、真ん中(Centrist)は良いはず」という、もっともらしいけれども、実は危うい問題認識だからである。

道徳的中立の危険性

本連載の過去の記事では、アメリカの思想小説家のアイン・ランドが20世紀アメリカの新自由主義やその後のリバタリアニズムに及ぼした影響について解説した。

ランドは冷戦時代、資本主義の急進派を自認し、出身国ソ連はじめあらゆる共産主義国家のイデオロギーや国内の社会主義政策への強硬な非難をやめなかった。その過程で、たとえば共和党の穏健派に対し、道徳的中立の危険性について繰り返し警鐘を鳴らした。今回はランドの中道への批判を紹介したい。

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