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「選挙の神様」が読み解く自民党圧勝報道の深層。なぜ、中道改革連合は伸び悩んでいるのか、そして選挙後の政局の行方は?

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高市政権の「責任ある積極財政」は日本をどこに導くのか。選挙戦では本質的議論が盛り上がっているとは言いがたい(撮影:梅谷秀司)

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2月8日に投開票を迎える衆議院選挙が終盤戦に差し掛かってきた。与党の自民党・日本維新の会に対し、野党は立憲民主党と公明党が合併し、中道改革連合を旗揚げした。焦点はこれまで自民候補を支えてきた公明の支持母体、創価学会の票の行方に集まっている。小選挙区ごとに1万~2万票あると言われる票はどこへ向かうのか、昨年の参議院選挙で議席を伸ばした国民民主党や参政党の勢いは続くのか、そして選挙後の政局の行方はーー「選挙の神様」こと元自民党事務局長の久米晃氏を直撃した。

――新聞各紙とも自民が単独過半数の見通しと報じ、朝日新聞は2月1日に「与党で300議席超うかがう」とする記事を配信しました。解散前の自民党の議席数は196ですが、本当にそこまで伸びるのでしょうか。

2025年の政局はどう動くのか――。選挙の神様、久米晃氏が自民党政権の命運をその裏面史から読み解いていく

高市内閣の高い支持率を支えているのは、安倍晋三内閣と同様、若年層だ。彼らの支持が高いために全体の支持率を押し上げている。若年層の利用が多いインターネットを使った調査では、自民党や内閣の支持が強く出がちだ。50代以上は石破茂内閣のときと支持傾向がほとんど変わらない。調査方法には注意して、あまり鵜呑みにしないほうがいい。ただ、高市・自民党に追い風が吹いているのは確かだろう。

2024年の前回衆院選で自民党は裏金問題による逆風もあって、公示前から56減の191議席まで落とした。その後、他党を離党した議員を加えるなどして196議席としたが、単独で過半数とするには40近く増やす必要がある。

前回は無党派層が自民党候補に投票しないだけでなく、自民党支持者も自民党(候補)に入れないという大逆風の中での選挙だったが、今回はそういう状況ではない。したがって、前回の結果ではなく、前々回の21年の衆議院選挙で獲得した261議席をもとに考えるべきだろう。

「高市か否か」の人気投票化

前々回の衆院選で次点候補と1万票以内の差で当選した自民党議員はおよそ30人。これまで自民党候補に流れた創価学会票の大半は、今回は中道改革連合に流れるとみられる。今回はその30人が当落線上で接戦となっていると思われるので、自民党は前々回の261議席から30を引いた231からどれだけ上積みできるかが勝負になるだろう。

当初こそ突然の解散に自民党内でも批判の声が少なくなかったが、衆議院で公明党と立憲民主党が一緒になったことで、逆に危機感が出て引き締まってきたように思う。さらに、離れていった学会票を相殺して余りある浮動票、無党派層の票が高市効果で流入してきそうだ。

――高市首相はなぜ、そんなに人気を集めるのでしょうか。

小泉純一郎元首相や安倍元首相と同じで、物言いや主義主張がはっきりしている。そういう政治家は、やはり自らの政策に自信を持っているように見える。それが受けているのだろう。よく選挙で「風が吹いた」と言うが、核になるものや組織がなければ風は起こらない。雪だるまと同じだ。大雪が降っても、核がなければ勝手に雪だるまができるわけではない。

今回は自民党が抱える地方組織などに加え、高市人気という核がある。「次の首相は高市か否か」という選択を国民に迫った戦略は、その是非は別として、奏功していると言える。どの候補もこぞって高市首相とのツーショット写真をSNSなどでアップして、高市人気の恩恵を引き寄せようとしている。私から見れば、「前からそんなに親しかったっけ?」と突っ込みたくなるのだが。

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