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自維の危うい連立で自公地方組織は悲鳴、解散は2年間はできず?官邸操縦カギは今井尚哉内閣官房参与か

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自維連立にはさまざまな思惑が交錯する。首相指名後、維新の吉村洋文代表(中央)、藤田文武共同代表にあいさつに訪れた高市氏(10月21日、時事)
高市早苗内閣がスタートした。自民党の総裁選で有力視されていた小泉進次郎氏を党員票で圧倒して総裁の座を手にしたが、その後26年の長きにわたり自民党と連立を組んできた公明党が離脱。急きょ連立相手を日本維新の会に組み替えて、辛うじて首相指名を乗り切った。この連立の組み替えによる余波は今後、日本の政治にどう影響していくのか。これからの選挙はどうなるのか。「選挙の神様」こと、自民党の元事務局長の久米晃氏が予測する。
2025年の政局はどう動くのか――。選挙の神様、久米晃氏が自民党政権の命運をその裏面史から読み解いていく

――維新は自民党と連立を組むに当たって、当初、物価高対策や社会保障改革など12項目の要求を提示しましたが、突然、議員定数の削減を「絶対条件」として打ち出してきました。衆議院の465議席から比例代表の50議席を削減するよう求めていますが、実現しますか。

これについてはいったいどこまで本気なのだろうかと思う。連立がうまくいかなくなって、いざ逃げ出すときのために、アリバイというか、楔を打ち込んでおこうというつもりではないか。「ほら、やらなかったじゃないか」と言って逃げ出す理由づくりを今からしているように見受けられる。

そもそも、現行の小選挙区と比例代表が並立する衆院選の選挙制度は、小選挙区だけでは死に票があまりにも多いため、それをカバーするために比例代表と並立したもの。身を切る改革とは全く別の話だ。もしここに踏み込むのなら、選挙制度そのものを見直すという文言を政策協定に盛り込んでしかるべきだ。

企業・団体献金では溝

定数削減のために衆議院の比例代表の枠を減らすとなると、少数政党はいずれも大打撃だ。公明党や共産党、れいわ、そして参政党にも小選挙区で当選が困難で、比例があるから救われている議員が多くいる。そればかりか、自民党や立憲民主、国民民主だって比例で当選できている議員は大勢いる。それに比例代表の枠を大幅に減らすということは、公明党との関係を決定的に悪化させることにつながる。自民党にとって、そう易々とは飲めない話だ。

自民と維新の政策合意では、企業・団体献金について両党で協議体を設けて高市早苗氏の首相任期中に結論を得るとされたが、この問題で野党が揺さぶりをかけてくるのは必至だ。維新はもともと企業・団体献金に反対しており、踏み絵を迫ってくるだろう。自民と維新の関係がぐちゃぐちゃになる可能性もある。野党側がそこをいつ突いてくるかがポイントだ。

――新たに連立相手となった維新は、吉村洋文代表(大阪府知事)が自民党との選挙区調整に否定的な立場を示しています。

維新は大阪以外では十分な票がなく、そもそも選挙協力しようがない。結局のところ、大阪府内の19の小選挙区を自民党が維新に差し出すだけということになるのではないか。

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