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〈雌伏1年〉チョコザップが「大量出店を再開」へ、1800店展開で生じた「急成長のひずみ」は解消宣言

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2025年11月時点でチョコザップの店舗数は1828店、会員数(株主優待の無料会員などは除く)は約108万人となっている(記者撮影)

RIZAPグループ(以下、ライザップ)の運営する廉価ジム「chocoZAP(チョコザップ)」が再び大量出店へと舵を切る。来年3月末に向けて300店近くを出店していく計画だ。

チョコザップの店舗数は11月時点で1828店。国内の小規模・24時間営業ジムの先駆けといえる「エニタイムフィットネス」を600店ほど上回る。しかもエニタイムは1000店舗目のオープンまでに約12年かかったのに対し、チョコザップは2022年7月に展開を始めて15カ月で達成した。

店舗網の急速な拡大は、積極的な広告宣伝とセットの大量出店によって実現された。とくに23年度の出店数は約900店に上った。しかし、25年度は4月から11月までで37店と大きくブレーキをかけていた。

出店より優先したのは、急成長が生んだひずみの解消だ。

1年かけて店舗運営を改善

チョコザップは、店舗数と会員数の急増に運動マシンやエアコン、トイレといった機器・設備のメンテナンスが追いつかず、故障や不具合が放置される状態になっていた。それらは会員の不満につながったうえ、外部業者に緊急修繕を要する事態をも招く。店舗運営コストは想定以上の額になってしまった。

そこでマシンの故障・不具合の検知強化や自社開発の故障しにくいマシンの導入など、この1年は店舗運営の改善に本腰。コストのかさむ外注に頼らずとも修繕や工事が内製で行える体制も整えるために、一般建設業の許可を取得することまで行った。

結果、広告費を除いた変動費は1年前より約3割削減。店舗運営の効率化で人件費などの固定費も約4割減らせた。広告費を減らしている効果も大きいが、24年度は13%だったチョコザップの営業利益率は20%超を見込む。チョコザップの売上高は24年度に近い350億円規模になると想定されるだけにインパクトは大きい。

出店と広告費を抑制したことで、約120万人まで増やしていた会員数(株主優待の無料会員などを除く)は約108万人に減った。だが、今やらなければいけないことだった。

「逆回転していた歯車が止まった」とライザップの瀬戸健社長はひずみ解消の手応えを語る。

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