「鰻の成瀬」が急成長、超スピード出店の衝撃度 山本社長「飲食に興味ない」発言の真意とは?

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鰻の成瀬を急拡大させた山本昌弘社長、すでに次のビジネスも見据えているようだ(撮影:梅谷秀司)
2022年9月の1号店開店から破竹の勢いで店舗数を広げるうなぎチェーン「鰻の成瀬」。8月時点で230店を超えた。一食3000円を超える専門店が多い中、うな重の最低価格は1600円(梅)と、安さを武器に人気を博している。
うなぎ職人は「串打ち3年、裂き8年、焼き一生」といわれるように、技術の習得に時間がかかる。一方、鰻の成瀬はアルバイトのスタッフを中心に運営している。
海外の養殖場で育てたニホンウナギを使用し、調理済みのかば焼きを仕入れる。店舗では専用の機械を使用して仕上げを行う。オペレーションを効率化し、低価格を実現しているのだ。提供時間も早く、早いときは5分。遅くとも10~15分で提供可能だ。
どのようにオペレーションを確立したのか、今後の出店戦略をどう考えているか。運営会社・フランチャイズビジネスインキュベーションの山本昌弘社長を直撃した。

 

――うなぎチェーンに着目した背景を教えてください。

うなぎは2000円ほどの価格で提供すれば安いと感じてもらえる。ほかの外食の業態からすると特殊で、そうした安い価格帯のうなぎの店はほとんど存在していなかった。

調理の仕組みを開発した会社の社長と知り合い、試食してみておいしかったので、これはいけると思った。成瀬のうなぎの仕入れや職人がいらないオペレーションは、こうした他社の権利を購入して使用している。一方で、たれの味などはオリジナルで開発したものだ。

店作りは「時代」から考えていく

――うなぎは手間のかかる食材です。どうやって、少ない人員で運営する手法を構築したのでしょうか。

メニューはうな重のみで、ドリンクも数種類のアルコールに絞っている。うなぎもかば焼きになったものを仕入れて、専用の機械で焼き上げるだけだ。スタッフが覚えなければならない手順はわずかで、アルバイトでも簡単にできる。営業時間も短くするなどの工夫もしている。

これは業界を俯瞰的に見ているところが大きい。飲食業界は人手不足が深刻で、人件費も上昇している。こうした課題を最初から理解したうえで店舗づくりをしている。

「どのようなお店を作りたいか」ではなく、「今の時代はこうだよね」というところから考えて、対応できる業態を作っていくのは強みの一つだ。

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