子供服の「ナルミヤ」が自社キャラクター復活で新宿ルミネが大混雑・・・きっかけは新入社員が描いた1枚の絵、「平成レトロ」で新たな収益源を開拓

2月と8月――。飲食店やサービス業で「二八(にっぱち)」と呼ばれるこの閑散期は、売り上げ確保が難しい時期だ。それはアパレル業界も例外ではない。
前月のセールからの反動減と次のシーズンの新作への購買意欲がまだ低い時期で、近年は気候変動により商品投入時期のずれ込みや商品計画の見直しも珍しくない。そんな中、季節や気温の影響を受けにくいファッション関連の商材や業態に注力する動きが出てきている。
「プティ マイン」「メゾピアノ」などのブランドを展開する子供服大手のナルミヤ・インターナショナル(以下、ナルミヤ)は、かつて人気だったアパレルブランドのキャラクターを復活させ、新たな需要を掘り起こしている。ターゲットは同社の子供服を愛用していた20代の女性だ。
元キッズを熱狂させたルミネの大行列
ナルミヤは従来の子供服とは異なる新規事業として、自社キャラクターを使ったグッズ販売やコラボカフェを2020年以降、定期的に実施してきた。

直近では2025年2月、新宿ルミネエストでナルミヤキャラクターズのポップアップショップが1カ月ほど開催された。早朝から社員が応援に駆けつけ、ショップ入店の整理券を配るほどの盛況ぶりで、「5坪に満たない売り場で想定される売り上げを上回った」(ナルミヤの新規事業開発部・漆畑祐樹課長)。
従来の子供とは違う大人を集客できる背景には、1990年代から2000年代にかけて築いた子供服のブランドとキャラクターの基盤があったからだ。
ナルミヤのブランドは10代向けのファッション誌にも掲載され、当時、子供時代を送った女性にとっては憧れの的だった。だが、2000年代後半はH&Mといった海外のファストファッションが日本に上陸。こうした新興勢力が子供服のニーズを取り込み、従来の人気から陰りを見せた。
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