有料会員限定

今や日立製作所の“虎の子”、送配電事業が爆増する「2つの大潮流」→1兆円の巨額買収がついに結実、AIバブルで変圧器は投資急拡大

✎ 1 ✎ 2
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
世界中の変電所が電力需要の爆増へ対応を進めている(写真:日立製作所)

特集「日立の送配電事業“巨額投資”のなぜ」の他の記事を読む

日立製作所のパワーグリッド(送配電)事業が爆走している。

同事業を手がける日立エナジーの売上高は、前期比3割増の2兆3955億円(2024年度)となった。売上高から原価と販管費を引いた調整後営業利益は、円高影響もあり1.7倍の2576億円へ膨張した。

日立グループ全体の調整後営業利益のうち、約26%を稼ぐほどの存在感を示している。

受注残は7兆円、6年先の契約も

「エネルギー市場は成長しているどころではなく、2017年の市場規模は1050億ドルだったのが昨年までに倍増し、2035年までに4500億ドルに到達する。2035年がピークかどうかもわからず、さらに成長する可能性もある」

6月中旬に開かれた投資家向けの説明会で、日立エナジーを率いるアンドレアス・シーレンベックCEOはこう切り出した。

2020年7月にスイスの重電大手ABBから送配電事業を1兆円で買収(2022年7月に完全子会社化)し、自社の送配電事業を統合した日立エナジー。現在、電力を発電所から需要家まで届けるのに必要なグリッド関連機器の製造から保守・運用まで手がける「総合プレイヤー」的な存在だ。

2026年3月期第1四半期末時点での受注残は476億ドル(約7兆円)へと積み上がり、向こう6年までの契約が見えているというほど引っ張りだこの状況にある。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD