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〈インタビュー〉洋上風力建設で「国内シェアトップ」を狙う清水建設/要の「SEP船」活用戦略を関口猛副社長が語る

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清水建設の関口猛副社長
SEP船建造では「2世代ぐらい先を狙ったスペックにした」と語る清水建設の関口猛副社長(撮影:尾形文繁)

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スーパーゼネコンの清水建設は、国内の洋上風力発電施設の工事で「トップシェア」獲得を目標に掲げる。2022年10月には、世界最大級の搭載能力などを持つSEP船(自己昇降式作業船)を建造した。
台湾での洋上風力工事を中心に、船や乗組員、オペレーターを貸し出す「傭船」ビジネスなどで実績を積んできた。一方、日本国内に目を転じると、三菱商事を中心とする企業連合が洋上風力プロジェクトの公募第1弾から撤退したことで、事業環境に不透明感が漂う。
清水建設でエンジニアリング事業を担当する関口猛副社長に、SEP船を活用した洋上風力施設建設の戦略などを聞いた。

――約500億円を投資してSEP船を建造した狙いは。

今はちょっと遅れ気味だが、いずれ洋上風力建設が日本で連続して出てくるだろうと想定した。その中で課題になるのは、施工するための大型SEP船がないこと。これがいちばんのネックになるだろうと考えた。

ヨーロッパからSEP船をチャーターするなどのシミュレーションをしたところ、そんなにうまくはいかないとの結論に至った。ヨーロッパは当時、洋上風力の建設プロジェクトが目白押しの状態。日本まで持ってくる費用もそうとうかかる。

そこでわれわれとしては船を造って所有する方向で検討した。経営トップ層には、事業収支の狙いや国内の洋上風力工事で「トップシェアを取る」考えを説明して建造が認められた。

船のスペックの決め方が非常に重要だったと思っている。お金は当然かかるが、ハードルを下げて造ればスペックは早晩足りなくなる。2世代ぐらい先を狙ったスペックにしたことが今、差別化のポイントになっている。

クレーンの吊り上げ能力(最大2500トン)や船上の積載能力をどれだけみるか、自航船にするのか非自航船にするのか。しっかりと検討を重ねたうえで、今のスペックになった。

清水建設SEP船
国内最大の8メガワット風車を据え付けている清水建設の大型SEP船「BLUE WIND」(写真:清水建設)

償却しながらも利益は出している

――国内の洋上風力プロジェクトでの施工実績は。

23年の4~6月、富山県の入善町沖で発電設備3メガワット(MW)の風車3基について、基礎部分や風車の据え付けを施工した。われわれとしては、試運転や操船訓練を行ってすぐに工事を実践できたという意味でたいへんありがたいタイミングだった。

その後、23年夏には北海道・石狩湾新港で8MWの風車14基の据え付け工事を行った。

――海外案件は台湾中西部・彰化(しょうか)県沖でのアジア最大の洋上風力発電所が1件目でした(工期などの詳細は非開示)。その後の状況は。

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