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【独占インタビュー】日立の徳永社長「近い将来シーメンス超えられる」…AI時代に日立がエヌビディアやオープンAIから協業を"求められる"理由

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徳永俊昭社長について日立幹部らは「とにかくスピード感を重視する」と評価する(撮影:梅谷修司)

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エヌビディア、オープンAI、そしてアメリカ政府……。日立製作所が連携する相手は、グローバルかつビッグなプレーヤーばかり。ほかの日本企業にはない「日立の強み」はどこにあり、なぜ選ばれるのか。4月から社長を務める徳永俊昭氏に聞いた。

━━社長就任から7カ月が経ちました。これから日立を、どんな会社にしていきたいですか。

日立は10年にわたる構造改革の後、過去3年間で各事業がものすごく強くなり、時価総額も大きく増加した。このタイミングで引き継ぐことができてラッキーだという部分と、さてここからどうするんだという2つの思いがある。

まずはこのモメンタムを受け継いで持続的に成長する会社へと、もう1回つくり替えなければいけないと強く思っている。デジタル技術をコアとし、日立ならではの価値を提供しながら成長するということを実現したい。

リアルとデジタルの両方がわかる

ーーAI時代における日立の強みは、どこにありますか。

日立にはIT、OT(制御技術=機械やシステムを自動で運用する技術)、プロダクトの3つすべてがあり、AI時代においては、実はそれが重要な意味を持っている。

デジタル領域のプレーヤーは今、AIを使って「リアルの世界」をよりよくしよう、より効率的に変えようとしている。そうなったときに、リアル側をきちんと扱えるOTやプロダクトを持っているというのが武器になる。

例えば、アメリカのエヌビディアは日立の鉄道事業での取り組みを見て、猛烈に一緒にやりたいと言ってくれたわけだし、オープンAIも日立のケイパビリティー(能力)を知って「一緒にやりたい」となった。

ーーリアルな現場を持っている会社はたくさんあります。エヌビディアとオープンAIは、なぜ日立を選んだのでしょう。

リアルをやっているその横に、デジタルがわかる人間がいる。例えば、鉄道の技術をきちんと“鉄道の言葉”で話せる人がいるし、エヌビディアと会話するときは“エヌビディアの言葉”で話せる人がいる。デジタル領域とリアルな領域の言葉を両方話しながら価値を提供できるという会社は、本当に少ない。

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