集団主義と新技術へのこだわりという「イズム」もアップデートしてきた。

日立のCMで知られる樹はハワイにある(写真:編集部撮影)
史上最大の赤字を機に聖域なき改革を徹底。グローバル、デジタル、ガバナンスの面で、もはや“伝統的日本企業”とは呼べないほどの変貌を遂げた日立製作所。
日本企業は日立から何を学ぶべきか。『週刊東洋経済』3月9日号の第1特集は「シン・日立に学べ」。
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1973年に放映が始まった日立製作所のテレビコマーシャル。「この木なんの木、気になる木」の初代CMは、こんなメッセージで締めくくられている。
「みんなが集まって、みんなが持ち寄って、新しいものを作ろうと思っています。あなたを取り巻く問題が、日立のテーマです」
短いフレーズだが、日立が創業以来貫いてきたイズムをよく表している。1つは集団主義。もう1つは新しい技術へのこだわりだ。
日立は個々人がそれぞれの力で戦う個人プレーよりも、協力して課題に立ち向かう団体戦を重んじてきた。
それは日立が1910年に鉱山向けで発足後、水力発電、鉄道と事業を拡大してきた歴史と密接に関わる。インフラ設備のように規模の大きな案件は、個人プレーで解決できるようなものではない。チームで取り組むしかなかったのだ。
団体戦の意識は今も健在
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