有料会員限定

日立社長「時価総額20兆円に向けて必要なこと」 「ルマーダ戦略に合わない事業は売却も検討」

✎ 1〜 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 最新
拡大
縮小

ルマーダの生みの親を直撃した。

日立製作所 執行役社長兼CEO 小島啓二氏
小島啓二(こじま・けいじ)/日立製作所 執行役社長兼CEO。1956年生まれ。82年京都大学大学院理学研究科修了、日立製作所入社。2008年中央研究所長、11年日立研究所長などを経て18年4月副社長。21年6月社長兼COO。22年4月から現職(撮影:梅谷秀司)

特集「シン・日立に学べ」の他の記事を読む

史上最大の赤字を機に聖域なき改革を徹底。グローバル、デジタル、ガバナンスの面で、もはや“伝統的日本企業”とは呼べないほどの変貌を遂げた日立製作所。
日本企業は日立から何を学ぶべきか。『週刊東洋経済』3月9日号の第1特集は「シン・日立に学べ」
週刊東洋経済 2024年3/9号(シン・日立に学べ) [雑誌]
『週刊東洋経済 2024年3/9号(シン・日立に学べ) [雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

日立製作所の研究開発部門、日立研究所の出身で、ルマーダの生みの親でもある小島啓二社長。次の10年を見据え、企業価値の向上にどう向き合うか。現状の評価と将来の展望を聞いた。

 

──株価は上場来高値の更新を続け、時価総額は11兆円を突破しました。

多くの投資家に日立は成長軌道に戻ってきたと認識されている。 

過去10年ほど事業の入れ替えをしてきた。上場子会社の切り離しと、米グローバルロジックやスイスABBの送配電事業など大型買収がうまくいくか、どちらも投資家から懸念材料とみられていた。 

日本企業は海外で大きなM&Aをしても失敗する例が多かった。だがグローバルロジックでは、取締役とわれわれ執行側が一体となって買収後の統合に取り組み、成果が出ている。日本株全体の再評価もあるが、日立の実行力が評価されたと受け止めている。

力のある顧客に密着して課題解決

──ルマーダを軸にしたデジタル戦略も進めてきました。

研究開発のトップとしてデジタル戦略の構想を練るよう言われたときから、顧客と密接に連携し、IT×OT(制御技術)×プロダクトの力をフルに使って、課題解決をしていく事業スタイルが日立には適していると言ってきた。

それまでもJRや電力会社といった力のある顧客に密着して課題を解決することで成果を出してきた。ルマーダは、そうした考え方の下で生まれた事業モデルだ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
シン・日立に学べ
大赤字を機に生まれ変わった日立製作所に学べ
グローバル、デジタル、ガバナンスで改革を徹底
売上高わずか1000億円、取締役から相次ぐ批判
「日本企業は"モノを売る事業"から移行すべき」
5年株価上昇率はソニーを抜いて電機業界トップ
「ルマーダ戦略に合わない事業は売却も検討」
2016年の発表から3つのフェーズで進化してきた
生産計画立案から無人店舗、金融、設備管理まで
井原議長「お飾り的な社外取締役は選ばれない」
日立の"プリンス"の優勢変わらず、新対抗馬も
課長クラスで年収1000万円、仕事もハードに
「日本の原子力再編には政府の大方針が必要」
巨額の利益を生み出す"もう1つの1兆円M&A"
洗濯機&掃除機でシェア高いが単独成長は難しい
売上高は1兆円以上、うち8割超を海外で稼ぐ
地銀向け勘定系システムのシェアは14%に低下
デジタルシステム部門出身者が担当副社長に
「他社や他国では絶対に作れない製品を持つ」
DNAシーケンサー、粒子線治療システム…
ゴールドマン&野村証券アナリストの本音
半導体からバイオまで「日立関連銘柄四季報」
110年の歴史から日立「イズム」の将来を予測
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内