有料会員限定

日立会長「世界で戦える人材がまだまだ足りない」 「日本の原子力再編には政府の大方針が必要」

✎ 1〜 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 最新
拡大
縮小

日立製作所の改革を牽引した東原敏昭会長は何を語るか。

日立製作所 取締役会長兼代表執行役 東原敏昭氏
東原敏昭(ひがしはら・としあき)/日立製作所 取締役会長兼代表執行役。1977年徳島大学卒、日立製作所入社。99年大みか電機本部交通システム設計部長、2006年情報・通信グループCOO、07年執行役常務。14年代表執行役社長COO。16年同CEO。22年から現職(撮影:尾形文繁)

特集「シン・日立に学べ」の他の記事を読む

史上最大の赤字を機に聖域なき改革を徹底。グローバル、デジタル、ガバナンスの面で、もはや“伝統的日本企業”とは呼べないほどの変貌を遂げた日立製作所。
日本企業は日立から何を学ぶべきか。『週刊東洋経済』3月9日号の第1特集は「シン・日立に学べ」
週刊東洋経済 2024年3/9号(シン・日立に学べ) [雑誌]
『週刊東洋経済 2024年3/9号(シン・日立に学べ) [雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

2014年に社長に就任し日立製作所の経営トップに立ってから、間もなく10年になる東原敏昭会長。この間の改革で日立は大きく姿を変えた。さらなる成長のためには何が必要か。

 

──投資家や同業他社は、日立は改革に成功したと見ています。

16年のCEO就任当時、株価は2600円前後だったが、今は約5倍。私のときに仕込んだものが今だんだんと認められてきた。うれしいことだ。

なぜ、日立で経営改革ができたかというと、川村隆・元会長や中西宏明・元会長が掲げたビジョンを現場まで降りていって実行できたからだろう。

日本の大手企業にもビジョナリーな人がいると思うが、ビジョンを打ち出す人と実行する人とにギャップがあるように思う。日立では私が社長の時代に会社の末端まで「将来こうする」ということを具体的に実行する体制が取れた。

ウミを出し切る改革者がいたかどうか

──重電分野で双璧だった東芝は経営の混乱が続き、23年12月に非上場化しました。同時期の経営者としてどう見ていますか。

自分のことをするので精いっぱい。東芝のことはわからないが、大きいのは危機の時に川村さんや中西さんのようなウミを出し切る改革者がいたかどうかではないか。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
シン・日立に学べ
大赤字を機に生まれ変わった日立製作所に学べ
グローバル、デジタル、ガバナンスで改革を徹底
売上高わずか1000億円、取締役から相次ぐ批判
「日本企業は"モノを売る事業"から移行すべき」
5年株価上昇率はソニーを抜いて電機業界トップ
「ルマーダ戦略に合わない事業は売却も検討」
2016年の発表から3つのフェーズで進化してきた
生産計画立案から無人店舗、金融、設備管理まで
井原議長「お飾り的な社外取締役は選ばれない」
日立の"プリンス"の優勢変わらず、新対抗馬も
課長クラスで年収1000万円、仕事もハードに
「日本の原子力再編には政府の大方針が必要」
巨額の利益を生み出す"もう1つの1兆円M&A"
洗濯機&掃除機でシェア高いが単独成長は難しい
売上高は1兆円以上、うち8割超を海外で稼ぐ
地銀向け勘定系システムのシェアは14%に低下
デジタルシステム部門出身者が担当副社長に
「他社や他国では絶対に作れない製品を持つ」
DNAシーケンサー、粒子線治療システム…
ゴールドマン&野村証券アナリストの本音
半導体からバイオまで「日立関連銘柄四季報」
110年の歴史から日立「イズム」の将来を予測
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内