有料会員限定

ニチレイ、ライフ…日立ルマーダ「超DX」最前線 生産計画立案から無人店舗、金融、設備管理まで

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 最新
拡大
縮小

ルマーダを生かしてDXを実現させた、6つの現場をリポート。

ノートパソコンで仕事をするビジネスパーソン
(写真:metamorworks / PIXTA)

特集「シン・日立に学べ」の他の記事を読む

史上最大の赤字を機に聖域なき改革を徹底。グローバル、デジタル、ガバナンスの面で、もはや“伝統的日本企業”とは呼べないほどの変貌を遂げた日立製作所。
日本企業は日立から何を学ぶべきか。『週刊東洋経済』3月9日号の第1特集は「シン・日立に学べ」

16兆通りの生産計画からヒト・モノ・カネを最適配置

・顧客1 ニチレイフーズ

食品大手のニチレイフーズは、冷凍食品の生産計画立案の自動化を目指して、日立製作所と手を組んだ。2020年から順次本格的な運用を開始したのは、ルマーダソリューションの1つである計画最適化サービスだ。

従来、ニチレイフーズでは熟練の計画立案者が自らの経験則に基づき、工場ごとにヒト・モノ・カネの配置を計画していた。

週刊東洋経済 2024年3/9号(シン・日立に学べ) [雑誌]
『週刊東洋経済 2024年3/9号(シン・日立に学べ) [雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

ただ、このやり方には課題があった。まず、計画立案に時間がかかる。需要予測に応じて生産数量を決めるだけではなく、作業する人の熟練度や、時に人間関係にも配慮した人員配置を考える必要があるからだ。

1工場当たりの計画の選択肢は16兆通りにも上る。設備の状況を細かく把握し、コスト計算もしたうえでその中から最適な計画を立案するための作業量は、膨大なものだった。

この作業を担うのは必然的に熟練者となるが、休暇を取りにくいなど労働負荷が過大に。人手不足が深刻化する中で、後継者がなかなか見つからないのも悩みだった。

同ソリューションの特徴は、独自に培った「数理最適化エンジン」の活用だ。鉄道の運行管理システムや火力発電所の運営管理システムを手がけた経験から得たノウハウを応用。複雑な事象でも、数式に置き換えればコンピューターに解かせることが可能になる。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
シン・日立に学べ
大赤字を機に生まれ変わった日立製作所に学べ
グローバル、デジタル、ガバナンスで改革を徹底
売上高わずか1000億円、取締役から相次ぐ批判
「日本企業は"モノを売る事業"から移行すべき」
5年株価上昇率はソニーを抜いて電機業界トップ
「ルマーダ戦略に合わない事業は売却も検討」
2016年の発表から3つのフェーズで進化してきた
生産計画立案から無人店舗、金融、設備管理まで
井原議長「お飾り的な社外取締役は選ばれない」
日立の"プリンス"の優勢変わらず、新対抗馬も
課長クラスで年収1000万円、仕事もハードに
「日本の原子力再編には政府の大方針が必要」
巨額の利益を生み出す"もう1つの1兆円M&A"
洗濯機&掃除機でシェア高いが単独成長は難しい
売上高は1兆円以上、うち8割超を海外で稼ぐ
地銀向け勘定系システムのシェアは14%に低下
デジタルシステム部門出身者が担当副社長に
「他社や他国では絶対に作れない製品を持つ」
DNAシーケンサー、粒子線治療システム…
ゴールドマン&野村証券アナリストの本音
半導体からバイオまで「日立関連銘柄四季報」
110年の歴史から日立「イズム」の将来を予測
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内